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文庫

紙の本

深夜特別放送 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者 ジョン・ダニング (著),三川 基好 (訳)

深夜特別放送 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

税込 902 8pt

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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.7

評価内訳

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紙の本

ラジオ黄金時代のニュー・ジャージーの陽光

2002/04/13 10:40

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時は第二次世界大戦中のアメリカ,些細なことで逮捕された駆け出しの小説家ジョン・ディラニーは留置場に面会に来た友人マーティ・ケンダルから,死んだ弟の恋人であり,また彼も愛してやまない女性ホリー・カーナハンが窮地に陥っていることを知る。ケンダルに手引きを頼み,収容されたオークランド近郊の労働キャンプから脱走するが,落ち合うはずだった彼女の家はもぬけの空。再度訪れるとそこにはケンダルの死体があった。
 わずかな手がかりを頼りにデュラニーはニュージャージーの小さな町へたどり着く。ホリーはこの町の酒場で歌を歌っていた。小さなラジオ局にライターとして就職し,ラジオの魅力のとりことなって次から次へと傑作ラジオ・ドラマを執筆するが,ドイツ系の同僚,ジョージ・シュローダーの自殺,その従兄弟であるピーターの失踪と死など,身辺には絶えず不穏な雰囲気がつきまとう。
 ……正直な感想を言うと,いろんな材料が「うまく混ざらないまま出来上がってしまった」印象の小説。ダニングが営業的に「ミステリ作家」なのは分かるんだが,この小説に描かれた「殺人」や「サスペンス」や「謎」はどれも出来が悪くて,なんというか取ってつけたみたいな感じなんである。その出来の悪さを「ミステリ」ではない部分が救っている。ラジオ黄金時代のニュー・ジャージーの陽光,現場の緊張感,世界大戦の暗雲,恐怖……。下手な殺人事件を絡めずにそのテーマだけで書いた方が良かったんではなかろうか。

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紙の本

戦争の落とす影

2001/11/13 11:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 数ページ読み進めただけで「これは傑作だ!」と思わされる小説がある。本書もまさにそういう小説だ。設定がパール・ハーバーの時代ということもあって、「ジャップ」という言葉が頻出したり、アメリカでの日系人迫害について語られている点なども、ある意味現在と深くシンクロしているため興味深いものがある。

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紙の本

ラジオ業界黄金期の熱気漂う力作

2002/06/14 16:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浅知 恵 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『死の蔵書』のダニングの最新長編。原題の“Two O'clock, Eastern Wartime”は直訳すると「東部戦時時間二時」 ということで、第二次世界大戦中のラジオ業界を舞台にしたサスペンスだ。

ちょっとした暴行事件で逮捕された小説家デュラニーが、愛する女性ホリーの窮地を救うため脱走し、その行方を追ううちにラジオ業界に入り込んでいくというのがおおよそのあらすじ。

ラジオの世界に目覚めたデュラニーが、とんとん拍子で局の出世階段を登りつめていく様子はいささかご都合主義であるものの、制作現場の熱気が伝わってきてぐいぐい惹きつけられる。訳者あとがきによるとダニングはラジオに関する本を2冊上梓しているようなので、得意分野なのだろう。

一方、ホリーとの関係はちょっと動機不足で、なぜこんなにも彼女の影を追い求めてデュラニーが行動するのかが納得できない。一応、動機づけはされているのだが、すべてを捨ててまで深入りしていく魅力はない気がする。もしかすると、ダニングは女性の人物造形があまりうまくはないのかもしれない。

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2005/04/28 19:26

投稿元:ブクログ

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2009/11/04 19:27

投稿元:ブクログ

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