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「たとえ相手を包み込むだけの器量なんかなくたって、補い合えばいいじゃないか」という言葉が印象に残った。だから二人でいることができるのだろう。
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バイセクシャルな女性が、ほんとうにほしいと思う人と、ほんとうに大切にしたいと思う人を実感していく過程を描いています。
私自身は女性とのセックスには興味がない、というのと、歳をとったからなのかセックスそのものの悦楽というのは20代でおいてきたような感じがするので、官能の相手(ほしい相手)と心の相手(大切な相手)が一人の人であって、そういう人と溶け合うような人がほしい、と思ったりしました。
抱きしめるだけでもいい、キスするだけでもいい、髪に触れていとおしさを感じる。それだけで充分、官能的だと感じる。そして自然の空気の流れのように抱き合うことになるならば、男女のどちらかが支配的になるようなセックスではなく、お互いを癒しあうようなゆっくりしたものがいい。お互いの肌が少し火照って皮膚の湿った感触や、紅潮した肌にうっとりできたら心地よいだろうな、と。
悲しみに寄り添うように、不安に寄り添うように、喜びに寄り添うように、溶け合う人がほしい。
そんなことを考えた一冊でした。
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女の人を好きな女の人が男の人と寝る話でした。それなりに面白かったです。
何が?と言われちゃうとなんなんだけど、エロイです。
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アブノーマルなテーマのわりに身近な感じがするのは、舞台設定のせいでしょうか。
感性豊かで、詩的な描写は女性ならでは。デヴォーやテルマ&ルイーズを使うところなど、いいなー。。
あの映画で主人公がダイブするラストは、素敵です。
女は恐いけど、ちと羨ましい。
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文中で気になった言葉。
『留美は香水をつけない。「香りって、誘惑者がつけるものだから」だと言う。』
フレグランス大好きな私は、きっと誘惑者なのだろう。(笑)
男とはセックスするが愛し合えない。
愛しい女とは抱き合うことが怖い。
精神的同性愛の主人公カナであるが、
留美と肉体的に抱き合うことを予感しながら、この話は終わっている。
下手にレズビアン描写が描かれていない分、
その後の展開を想像するほうが楽しいかも。
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なんか、結構好きだな。うまく言えないけど、なんか好き。
表紙はここの写真とは違ってもっと普通な感じでした。
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モルヒネ読んで、読んでみようとがんばったんですけど、
好きとか嫌いで評価できるのかちょっと微妙。
主要人物の職業が建築関係だったから、それがちょっと勉強になったかな(?)
現場ってこんなかんじかなーって。
カナと小田のふつうのやりとりが特に好きです。
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とても好きな作品。
カナにとっての「家」の意味。
ただの箱、と切り捨てていても。
自分には到底手にはできないもの。
「私には二人もいる」
終わり方もすき。
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<あらすじ>
男を抱くことはできても、愛せない。女を愛していても抱き合うことをおそれてしまうー。年下の友人・留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、中年の建築家・小田との官能と友愛に充ちた関係に癒しと安らぎを憶えるヒロイン・カナ。しかし、留学中の留美の不在に、カナの秘めた想いは次第に募るのだった・・・。
新感覚の性愛を鮮烈に描いた恋愛小説の傑作。
第22回すばる文学賞受賞作。
<感想>
とにかくSEX描写が多い。それほど露骨ではないものの、
頻繁に出てくると食傷気味になり勢いが削がれてしまう。
共感できない部分のあるSEX描写はツライもんだと実感。
友達との関係や男との人間関係、仕事の話なんかはいいのに。
結局、小説の中程以降はSEX描写の部分は流し読みすることで読破。
レズと言う言葉でくくってしまうにはあまりにも崇高な感情のカナの想いが
どうなったかと言うところはハッキリと書かれていない。
むしろ、愛する人に愛されたいと願うことの怖さ、踏み出す勇気を
書きたかったのだろうからハッキリと示す必要はないのだろうけれど。
わからないではないけれど、共感を持つことができない小説は
なるほど・・・と言う感想で終わってしまう
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おおいに共感する部分がありますね。
恋愛嗜好とかではなく、生き方とか考え方とか。
外でつっぱらかってるから、
甘えられる人には曝け出してしまうとか、
失うのが怖いからはじめから近づかないとか、
全部自己防衛。
強いわけじゃなく、むしろ人より打たれ弱い。
だからバリバリに武装してバリケードはってなくちゃって。
うん。わかる。
わかりすぎてというか、
あまりに自分と重なりすぎて、
イヤだなと思ってる自分と重なりすぎて、
ちょっとげんなり。
☆☆☆ ホシ3つ
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本当に好きな人を大切に思う気持ちが、痛いほど伝わってくる。
子供でも大人でも、本当に大切にしてる人には嫌われたくない、という恐れは誰しもあると思う。それが、友情でも、初恋でも、本作のような同性愛でも。
自分には得られないものと知りつつ、家庭の入れ物である家を売る。自分でも皮肉だと自虐的になりながらも。しかしカナには、別な形の家庭がある。心も(体も)開いた小田と、留美がいれば、十分でしょう。
“モルヒネ”より、こちらのほうが、“家”を中心に話がまとまっており、良かったように思う。
本作も、“モルヒネ”も、流れはほぼ同じようであるが。
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男友達・小田さんとのシーン
仕事のシーン
恋い焦がれる留美とのシーン
この3つで綴られています。
小田さんとのシーンは殆どが性描写です。
私は読む前にある程度人の感想とか読んじゃうんですね。
これの場合もそうなんだけど
私は他の方が言うほどエロティックには感じなかったですよ。
スポーツ的な感じがしました。
いや…甘美なんですけどね。(笑)
読みやすいって言うか…
流れが簡単だったかな。
小田との夜から翌日の仕事モードへの流れがいまいちかなぁ。
でも後半、カナがベルギーにいる留美からの手紙を読んでから
ラストまでの下りは繊細でさわやかな流れでした。
「はじまり」の予感でしたね。
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そこまで面白いという感じではなかった。
何だか本当に好きじゃない人と関係してるのに共感できなかった!同性愛でもいいから、自分の気持ちを貫くべきなのにと感じた。
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障害のある恋愛の話だけど、障害はあまりメインではなくて、主人公の何物のせいにもしない真っ直ぐな気持ちが一番印象的。
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実はお互いほとんど本気であるとわかっていて、笑い飛ばす。血族の繋がりに依存しない以上、こうしてドライに、しかし周到に自分達の将来を操作していかなければならない。
そして一緒にいて欲しい人にははっきりと熱烈にそれを伝え、理解を請い、身柄を確保しておかなければ。あなたに去られたら困るのだと、必要なのだと、相手にもわかるように示さなくては。絶望を理由に人を遠ざけ寂しさから傷付けたのは、子ども時代の甘えた思い出だ。
(P.183)