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イデーン 純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 2−1 第2巻構成についての現象学的諸研究 1
著者 E.フッサール (著),立松 弘孝 (共訳),別所 良美 (共訳)
現代思想の原点と呼ばれる「イデーン」。長らく待ち望まれていたフッサールの主著の続巻。本巻では「物を知覚することとはどういう事か」を論ずる。哲学の根本から感情移入論まで。【...
イデーン 純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 2−1 第2巻構成についての現象学的諸研究 1
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商品説明
現代思想の原点と呼ばれる「イデーン」。長らく待ち望まれていたフッサールの主著の続巻。本巻では「物を知覚することとはどういう事か」を論ずる。哲学の根本から感情移入論まで。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
現象学的哲学の最も重要な著作の「構成」について考察を深める第二巻
2001/12/10 22:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フッサールは現象学的哲学の創始者として知られる。英米の分析哲学と比肩され、20世紀ヨーロッパ大陸の哲学運動の主潮流とも見なされるようになった独創的学問の試みにほかならない。フッサールがゲッティンゲン大学時代に胚胎した中期の思想は、とりわけ1913年に公刊された『イデーン』すなわち『純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想』第一巻、に盛り込まれている。この著作では、意味構成の機構を解明したノエシス‐ノエマの対概念、現象学的還元など現象学の枢要な概念についての詳細な解説がなされている。
『イデーン』で生前公刊されたのは第一巻のみであったが、しかし、第二、三巻の構想もが立てられていた。その中で、草稿の形で遺され、戦後刊行されたのは、構想の第二巻に相当する部分であった。それらは今日、普通『イデーン』II・IIIとして言及される。換言すれば、『イデーン』第一巻は『イデーン』Iとして、第二巻は『イデーンII・IIIと分岐する形で書き下ろされ、第三巻の構想は、ついに書き下ろされることなく、『第一哲学』と表題を変えて、遺稿の形でわれわれに残されることになった。それらはフッサールの円熟期の思索の軌跡を知らしめる著作としてまことに重要である。
本訳書は『イデーン』IIの前半部分の訳である。「構成についての現象学的諸研究」というのが、その副題である。フッサールは、ここで近代物理科学の対象とする自然が特異であり、生の自然というよりも、近代科学者が機械技芸的な操作の対象とする自然であることを示したかったものと推測される。が、本訳書では、「物質的自然」「有心的自然」の「構成」についてのごく思弁的な考察が披瀝されているにとどまる。中期のフッサールの著述は一般に「砂を噛むように」難解であると評される。けれども、彼の独創性の秘密は、そういった執拗な、徹底的思索にこそある。本格的思索の糧を求める学徒をこそ本書は待ち構えているのである。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.12.11)