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商品説明
カリブ海に浮かぶハイチの国民宗教であるヴードゥー教。多くの映画、小説、音楽などに素材を提供しながらも、その実態はほとんど知られていないといえるこの宗教の、起源と歴史、神体系、儀礼までを通観する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
立野 淳也
- 略歴
- 〈立野淳也〉1964年福山市生まれ。国学院大学文学部卒業。著述家。
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紙の本
ハイチの民衆信仰の歴史が明かすクレオール文化の真実
2001/11/20 12:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小林浩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴードゥー教というと、赤ん坊を利用した残酷な呪術がまっさきに脳裏に浮かんでしまう世代は、70年代に氾濫したトンデモ本に親しんだ人たちだろう。もう少し「まっとうな」読書人ならば、ゾラ・ニール・ハーストンの『騾馬とひと』や『ヴードゥーの神々』などを読んで、その起源と習俗とについて多少は知っているかもしれない。本書は大冊ではないが、恐らく邦人が書いた研究書の中でははじめて体系的にヴードゥー教の歴史的背景と神話、儀礼的真実を扱った注目作である。カリブ海域のクレオール文化への関心の高まりという文脈においても必読文献である。
前半部で著者は、ハイチにおけるスペイン人の植民地支配とアフリカ人奴隷の歴史から語り起こし、ハイチ革命前後の社会的背景を解説する。表向きはカトリック信仰を強要されていた奴隷たちは彼らの土着的な習わしを棄てず、カリブ海のその他の地域と同じように、異なる宗教を微妙なバランスで融合させていく。後半部では、海を越えた西アフリカ起源の民間信仰の神話体系と祭儀が説明され、その特異な秘密結社的集団の内実や舞踏・音楽文化が記述される。ヴードゥー教の多様な世界への招待となろう。
※見逃せない関連書→「蛇と虹」「ゾンビ伝説」「アフリカの魂を求めて」「アフリカン・アメリカン文化の誕生」「アフロ-アメリカンの民話」「ニグロ・ダンス・抵抗」「ブラック・ジャコバン」「ブラック・ディアスポラ」「コロンブスからカストロまで」
→人文・社会・ノンフィクションレジ前コーナー(11/19分)より