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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.1
- 出版社: JTB
- レーベル: JTBキャンブックス
- サイズ:21cm/176p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-533-04071-9
紙の本
絵葉書に見る交通風俗史 明治・大正・昭和初期の乗り物原風景 平原健二コレクション (JTBキャンブックス 交通)
著者 原口 隆行 (編著)
開通以来急速な勢いで広がった鉄道を始めとする交通が、日本の景観をどのように変貌させたかを当時の絵葉書でたどる試み。乗り物が写り込んだ絵葉書1200枚を選び、地域別、乗り物...
絵葉書に見る交通風俗史 明治・大正・昭和初期の乗り物原風景 平原健二コレクション (JTBキャンブックス 交通)
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商品説明
開通以来急速な勢いで広がった鉄道を始めとする交通が、日本の景観をどのように変貌させたかを当時の絵葉書でたどる試み。乗り物が写り込んだ絵葉書1200枚を選び、地域別、乗り物(船舶と航空機)別に絞り込んで集成。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
原口 隆行
- 略歴
- 〈原口隆行〉昭和13年東京生まれ。上智大学経済学部卒業。凸版印刷勤務を経てフリーに。主に鉄道をテーマに執筆・編集活動を続ける。著書に「時刻表でたどる鉄道史」など。
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紙の本
絵葉書独特の色を味わい、故郷や、訪れた土地の今とずっと昔を重ね合わせながら、ページを繰るのが楽しい
2002/02/08 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:片岡直子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番面白いのは、「絵葉書」という体質? からくる色味。日本では、初期の頃に女性の内職によってまかなわれたという、色を塗る作業や、「写真」としてではなく、裏に文字が書かれ、投函され、大切に保管された時間そのものが、葉書の色に現れている。
明治・大正・昭和初期の時代の風景を写した、本書の絵葉書は、少し歪んだ懐かしさや、安堵や、滑稽の味わいを運んでくる。
函館に出張に行ってきたばかりの北海道出身の夫が、「ここに泊まってきたんだよ」と言って、本書の絵はがきの中の建物を指さした。本書には、まだ健在の建物や、平成13年までは建っていたものなど、にわかには信じがたい写真も多く掲載されている。
大学時代に自転車部に所属していて、旅が多かったせいか、道路や交通や、もちろん古い建造物にも、とても興味がある。全国のある程度の街の感じをつかんでいると、自分で勝手に思っている者の目にも、絵葉書からのアプローチというのは、とても新鮮。
「手書きの絵から出発した絵葉書」の章には、1843年、イギリスで、「ヘンリー・コールという人が画家に描かせたものがその最初になった」とある。今流行りの絵手紙みたいだ。
日本全国、そして、“外地”として、旧朝鮮、旧満州、中国、香港、シンガポール、台湾、樺太等の絵葉書もあるけれど、一番印象に残ったのは、広島だった。「軍都として発展した後原爆の惨禍を蒙る」として掲載されている絵葉書の風景は、明治45年、大正3年、5年、10年、15年、昭和5年頃のもので、そこから、昭和20年の「世界の戦争史上未曾有の大惨事」が、起こるとは誰にも考えられない。整然とした美しさと、素朴さが写し出されている。それぞれの故郷のその時代、あるいは、かつて訪れた土地の今とずっと昔を重ね合わせながら、ページを繰るのにちょうど良い。懐かしさをくすぐる色を味わいながら。 (bk1ブックナビゲーター:片岡直子/詩人 2002.02.09)