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商品説明
テロに対する対応のあり方、構造改革の進め方等のホットなテーマを題材に、日本が「日本らしい」国になるために、今何が必要かを明らかにし、安易な米国追随に警鐘を鳴らす。『毎日新聞』連載コラム「時代の風」も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
寺島 実郎
- 略歴
- 〈寺島実郎〉1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。現在、三井物産戦略研究所所長、(財)日本総合研究所理事長。著書に「地球儀を手に考えるアメリカ」など。
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紙の本
2002/01/27朝刊
2002/01/31 18:16
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球上に起こる様々な事象の底流に何があるのか。それを読み解くのは、簡単ではない。本書は活発な言論活動を展開する著者の評論集であり、時代の深層底流に挑んだ結果である。自信たっぷりの題名に著者の心意気がはっきりと見える。
著者は論壇の優等生ではく、問題提起者として振る舞おうとする。例えば同時テロ後の日本政府の対応を「対米協調という名の対米コンプレックス」と書く。少しでも米国を知る知識人のなかで、ここまで断言する人は多くない。そこに魅力を感じる人もいれば、反発する人もいるだろう。それによって問題提起は意味を持つ。
日本にとって最も重要な国である米国にどう対応するか。本書は、この重い課題を提起し、米国からの自立を説く。米国の知識人が本書を読めば、かつて日本たたきに力を込めた対日リビジョニストの主張の裏返しと感じるかもしれない。著者の意図を離れ、本書は対米リビジョニスト宣言とも読みとれる。
対米自立論は、日本の現実政治の主流からは受け入れられていない。著者の論理は、少なくともこれまでのところ政治、外交の主流にいる人々を説得できていない。
政治が鈍感なせいなのか、著者の説得力に問題があるのか。本書が時代の深層底流を本当に読んでいるのかどうか、答えはすぐにはわからないのだろう。一定の時が流れてから読み返した時にこそ、本書の価値を判断できるのかもしれない。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001