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商品説明
IT不況と同時多発テロによる米国のいっそうの景気後退によって、日本経済は不況が一段と悪化している。そこで、小泉首相が断固として実行するという不良債権処理などの構造改革の断行ではなく、社会需要の必要性を訴える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森谷 正規
- 略歴
- 〈森谷正規〉1935年生まれ。東京大学工学部卒業。放送大学教授。専攻は現代技術論。「日本・中国・韓国産業技術比較」で大平正芳記念賞受賞。
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紙の本
2002/02/03朝刊
2002/02/12 22:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不況が続く中で、小泉政権が掲げる構造改革を巡る議論が袋小路に入ってしまった感がある。一方が「構造改革はデフレを深刻化させるだけ。財政出動などによる景気刺激をまず進めよ」と言えば、もう一方は「無駄な公共事業に予算配分しても経済は長期的に良くならない」と切り返す。溝は埋まる気配がない。
著者はその溝を埋め、両者を納得させられる道があると説く。それは「社会需要」を開拓することだという。豊かになった日本では環境を守りたい、教育や医療のサービスを拡充してほしいという社会的な需要はあるはず。それを花開かせることは国民の要望にこたえ、同時に景気も刺激する一石二鳥になるとみる。
日本では社会需要をつくるうえで壁があり、障害を取り除くために知恵を絞るべきだというのが本書の主張。そのための考え方や仕組みを提言している。医療や教育の情報化のほか、太陽光発電や大深度地下活用のための補助や負担のあり方に言及している。
需要というとモノの生産や消費に目が行ってしまいがちであり、社会需要に宝の山があるという考え方は傾聴に値する。著者は社会需要開拓には政府のほか、企業、非営利組織(NPO)なども重要な役割を果たすべきだという。ただ、日本では政治家や官僚が役割を担ったとたんに事業が利権の拡大に使われたり、おカネの使い方が非効率的になったりする懸念もつきまとう。公的な事業は官が管理するという既成の観念も変えていく必要がある。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001