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商品説明
銃剣で描いた王道楽土の夢とその結末、日中全面戦争の発火点の謎と闇、真珠湾前夜に展開された外交戦争の舞台裏…。満州事変、盧溝橋事件、日米開戦の知られざる実情を徹底的に検証した歴史ノンフィクション。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
益井 康一
- 略歴
- 〈益井康一〉1911〜99年。毎日新聞所属の陸軍報道班員として終戦まで中国に滞在。戦後、毎日新聞東京本社編集局顧問等を務めた。
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紙の本
日本はどのように戦争に巻き込まれたのか
2005/08/30 12:03
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「日本はなぜ戦争を始めたのか」、言い方を変えれば、「日本はどのように戦争に巻き込まれていったのか」を明らかにするべく、満州事変、廬溝橋事件、日米開戦を主なテーマに、あの一連の戦争の実像に迫ったものである。
満州事変の序曲となった済南事件と張作霖爆殺事件、さらに廬溝橋事件の真相に迫るところは大変に興味深い。
支那事変(日中戦争)の発端となった廬溝橋事件は、日本軍が仕掛けたものではない。これは現在では歴史学会ほぼ共通の認識となっている。支那事変そのものも日本が望んだ戦争ではなく、中国側の挑発によってずるずると引きずり込まれた戦争だった。
いまだに廬溝橋事件を日本軍による中国侵略の象徴のように考えている人は、はっきり言って勉強不足だろう。
もちろん本書は、廬溝橋事件について、そのような「あたりまえのこと」を書いているのみではない。さらに踏み込んで、論拠も示しながら事件の仕掛け人を明らかにしているのである。
因みに、中国では廬溝橋事件の仕掛け人については周知の事実として知られているそうだ。それが日本で知られていないのは不可思議な現象である、とまで書いている。
ところで、本書と似た趣旨の著作として、保阪正康著「あの戦争は何だったのか」(新潮新書)という書が出版されている。が、満州事変や支那事変への言及がなく、日米開戦へ至る過程の記述も少ない。極めて中途半端な書だ。
それに対し、本書は一連の戦争への過程を詳しく論ずる点で高く評価したい。一連の戦争へ至った過程を研究し、そこから教訓を学び取ることが、今後の日本の平和のために重要なことではないだろうか。
もっとも、憲法第九条が戦後日本の平和を守ってきた、などと本気で考える能天気な人たちには理解できないことかもしれないのだが・・・・・・・・。