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商品説明
インターネット上に現れた「論壇抗日戦士」たちの暴言。日本への敵愾心と憎しみを煽り立てる中国の専門家たち。日中国交回復30周年という節目に、「日本憎悪」の深層心理に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
石 平
- 略歴
- 〈石平〉1962年中国四川省生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関の研究員を経て、現在はフリー。
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紙の本
ようやく出てきた「まともな」本
2007/05/18 13:51
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朱建栄、沈才彬、莫邦富...。どうして日本に居る中国人は、そろいもそろって北京政府の代弁者みたいな連中ばかりなんだろう。米国にいる中国人の中には強烈な「反北京政府」の立場をとる何清漣のような方が少なからずいる。もちろん強烈な北京政府べったりの立場の人もいて、だからこそ多様なオピニオンスペクトラムの中から読者は合理的な選択が出来るのである。そう思っていたらようやく石平という立派な中国人論者が日本にも現れた。彼の論理構成は結構重厚であり説得力がある。彼があらわす著作は中国の本当の姿を知る為の必読書となりつつある。『「中国人は日本人を憎んでいる」という命題がそれほど妥当性を持つのかどうか、かなり怪しい』などとピントはずれの視点でものを語る人がたまにいるが、BBCが行った世論調査でも明らかなように、世界中のほとんどの国が日本を高く高く評価している中で、日本に対し敵意をむき出しにしている国が二つだけあった。ほかならぬ中国と韓国である。この現実からどうして彼らは目を背けるのだろう。何か「ソ連は平和勢力である」「毛沢東の文化大革命は素晴らしい」と主張し続けた人々と同じセグメントにいる人が、こうしたことを言っている様に思えるのだが。中国人がなぜ日本人を憎むのかについては本書の他、鳥居民著『「反日」で生きのびる中国 江沢民の戦争 』にもその詳しい事情が書いてある。中国人は国家を挙げた反日教育で憎しみの拡大再生産を日々行っている。このことに目を背けるような人に知識人を名乗る資格はない(また、お得意の反米思想で我々を騙すつもりか)。
紙の本
前提に異議あり
2002/03/10 23:58
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:梶谷懐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国人は日本人を憎んでいる。そう言われると思わず納得してしまう人も多いかもしれない。教科書問題や歴史認識は言うに及ばず、現地の日系企業へのクレームなど、ニュースを見ていると日本は中国に怒られてばかり、という印象を受けるからだ。また、ちょっと中国語がわかる人なら、人民日報などが提供するBBSをのぞいてみて、日本(人)をあからさまに罵倒した書き込みを発見し「引いて」しまった経験があるかもしれない。この本の帯にある「すべての日本民族を消滅せよ!」という文句はそんな書き込みのほんの一例だ。果たして、本当に「中国人は日本人を憎んで」いるんだろうか?
日本滞在が長い中国人である石さんは、まず上記のようなネット上の中国人による反・日本(人)的な発言を数多く紹介し、それをまったくの無知に基づいた根拠のないものだとして一刀両断にしたうえで、このような日本・日本人に対するむき出しの憎悪の原因を次のように分析する。
石さんによると、こういった現象は、必ずしも旧日本軍の侵略に対する被害者意識を直接の原因として生じたものではない。というのも、反日的な言論が激しさを増していったのは、まだ戦争の記憶が生々しかったはずの日中国交回復時からずっと時間がたった90年代以降の話だからだ。じゃあ、なぜ「彼ら」はそんなに日本(人)を憎むのか。石さんの結論は、政府・マスコミ・学界などが国民の目を体制批判からそらしておくため、共同で「絶対悪としての日本」という一つの虚像を作り上げたからだ、というものだ。つまり、「彼ら」にとって、現実の日本の姿がどうかなどということは最初からどうでもよかったのだ。
一見、もっともらしい分析だけど、僕は次のようないくつかの疑問点を感じた。まず一点目。この本は、いったい誰に向けて、どんな目的で書かれているんだろうか?石さんのいうように、中国人の日本に対する見方が誤解と偏見に満ちているのだとしたら、まず中国人に向けて、そういう誤ったイメージを正すような発言をすべきなんじゃないだろうか。中国人である彼が、日本人に向けていわば自国民の浅はかさを暴露するような本を出すことの意図がよくわからない。
二点目は、ネット上の発言や日本叩き本を題材にして中国人の日本人観がつづられていて、中国人の「生の声」がほとんど出てこないことだ。特に、ビジネスなどで日本人と日常的に接している人たちがどのように感じているのか、もう少し取材してみる必要があったんじゃないだろうか。
最後に、彼はネット上の発言のひどさを根拠に中国人の日本観は「異常」で「狂気」だとまで言い切っているけど、それは正しい判断だろうか。例えば、日本の2ちゃんねるにおける反・中国的な書き込みも相当なものだけど、石さんはどう判断するんだろう。また、ネット上で激しい発言をしたからといって、現実においても日本人に攻撃的な行動をとるとは限らない。むしろ書き込みが「ガス抜き」になっている可能性もあるだろう。もしそうなら、こういった書き込みもそれほど騒ぐほどのものじゃないように思えてくる。
中国人の日本(人)観をその深層心理まで踏み込んで検証しよう、というのは非常に魅力あるテーマだ。しかしこの本の場合、そもそもの前提になっている「中国人は日本人を憎んでいる」という命題がそれほど妥当性を持つのかどうか、かなり怪しい。だからこの本の結論にも眉に唾をつけて読んだ方がいい、というのが正直な感想だ。