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紙の本
カノン
2002/07/25 20:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あさの - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしはナーヴァに出会うまで、ブランドステッターに密かな熱情を燃やしていた。本書は、その著者、ジョセフ・ハンセンに捧げられている。
前作で、自分のルーツに立ち返ったリオスは、今回、そのもっと先、『だから自分はどういきるのか』に、今回いきあたっている。
僣越な見方をすれば、このシリーズを通して、作者自身が、自分の立つべき場所、を探しているような、という気がする。
主題は『父』そして『息子』。
母と娘がある意味、一卵性双生児のような世界を紡ぐのだとすれば、父の息子はなんなんだろう。
本書を通して、常に語られているのは、『父』に謗られた『息子』、である。
しかしその『息子』は、語られるうちに、『父』の内なる『自分』であることが判明する。
そしてどうなるか。
すべての『父』は息子によって葬られるのである。
生きるために。
『息子』がいきる為に。
カノンのように、その主題は本作を通して繰り返し繰り返し流れ、やがてリオスは最愛の恋人との別れを迎える。
リオスは自分が憎み続けた『父親』を、自分もまた演じていたことを知る。
彼の庇護の元で育まれた息子は、やがて父の呪縛から逃れた恋人を胸に抱きしめる。
『泣く時間は後でたっぷりあるよ』
本シリーズは、全作7作で終わりを迎える。
それが手元に届くことを、『ゆっくりとくる』ことを望むのか、それとも。
一作一作を、大切に、舐めるように読みたいシリーズ。
紙の本
続きが読めて感無量
2002/02/18 23:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ほし - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやー、待たされた。ヘンリー・リオスシリーズ六年ぶりの新刊である。巻末の著作リストで、続巻があるとわかっているのに、読めないこのもどかしさ。ようやく新刊を手にした時、「どうせ、続きはすぐには出ないんだから、しばらく眺めていよう」と10日ほど我慢したが、つい読んでしまった。その結果……待つだけの価値は充分あったと断言できるが、主人公は相変わらず苦労人で、「うーむ気の毒な……」と思わずつぶやいてしまった。
でも、このほろ苦さ加減がまさに大人のためのハードボイルド。アクションシーンは皆無で、入り組んだ謎解きもないのに、しみじみと読ませる。フロストやニール・ケアリーものと違って「このミステリーがすごい」等で上位を占めることはまずないだろうが、読み逃すにはもったいないシリーズである。