紙の本
匂いで迫る人間のエロス
2002/03/30 18:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからすると、匂いフェチの話かと思うが、実際、著者が匂いに興味をもったきっかけはそうだった。だから、人間の性の本質を匂いで解き明かそうとしたのだと思う。それが、「エロモン」といった思い切った仮説である。実のところ、一口にブルセラといってもその趣向は多岐に渡っており、匂いフェチは一分野に過ぎない。ましてやボンデージの世界では、匂いという要素はほとんど考えられていない。そう見ていくと、やや強引な印象もある。
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フェロモンを超えるエロモン
人々を引きつけてやまない誘惑の香り
人々は本当に嗅覚を失ってしまったのか?
セクシーな香りとははたして何か?
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別段読みづらくもなく。一気に読みました。
自分があんまり興味持てない部分もあったけど麝香について深く追求した所は面白かったです。
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[ 内容 ]
視覚、聴覚、味覚などに比べて、嗅覚については、論じられたり、教育されたりする機会はきわめて少ない。
とりわけ近年、無臭であることが是とされて、消臭グッズが売れている…。
こうした現象の背景にある匂いの抑圧と、本能の抑圧・性の抑圧とのつながりを探ると、意外にも匂いと性のただならぬ関係が浮かび上がり、人間特有の性の謎が見えてくる。
本書では、媚薬、フェロモンからブルセラ、ボンデージ、果ては人類の性進化までをも「匂い」を軸に縦横に論じていき、本能から解き放たれた「人間的」な性 ―エロスに訴える匂いとしての「エロモン」仮説を提議する。
[ 目次 ]
序章 異性のにおい
第1章 媚薬と香り
第2章 エロスの進化論
第3章 フェロモンからエロスへ
第4章 鼻とセックス
第5章 匂いに感じる人々
終章 匂いのエロティシズム
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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媚薬やフェロモンなど、匂いと性行動にについて仮説の域を出ないが学術的に語っている。
それにしても「エロモン」というネーミングはどうしたものかね
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人間は性器を隠すようになって、発情期に発する匂いに鈍感になり、ゆえに一年中が発情期という特異な哺乳類となった。
そして香水でフェロモンを演出するようになった。
が、フェロモンの香りとは??
無意識に察知している特有の(興奮作用のある)におい。
進化の過程で二足歩行になり、鼻の前にお尻があったのが立つことで離れてしまい匂いに鈍感になった人間。
発情期があれば(お猿さんとかは発情してればお尻が赤い)オスは簡単に子づくりができる。
ゆえに、いろんなメスと簡単に子を作れる。でも、発情期が分からない人間は簡単に子作りとはいかない。
オスがアタックしても、メスはそんな気ないかもしれないし、色々面倒(笑)だから子作りができる相手(=彼女、妻)を大事にする。
メスはメスで、人間の子育てには時間がかかるからその間守ってくれる男が必要。
そんな簡単に他のメスと子づくりされても困るのです。なんか体系的に説明できないのですが。
発情期が無くなるってすごい。そこから匂いの話になってくんだけど。すごく面白かったです。
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嗅覚からのアプローチ
欲情は視覚からなのか 聴覚からなのか 触覚からなのか 嗅覚からなのか
フェロモンとはなんぞや
などなど
匂い臭いにおいニオイ 改めて考えると不思議なもんだ
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著者はフランス文学専修のパフューマー(調香師)。参考文献リストも学術的にすごい量。カヴァーには、「本書では、ブルセラ、ボンデージ、果ては人類の性進化までをも「匂い」を軸に縦横に論じていき、本能から解き放たれた「人間的な」性―エロスに訴える匂いとしての「エロモン」仮説を提議する。」と。科学的・化学的かつ文化的「匂い」論と言っていいのではないでしょうか。ご参考のため、以下、目次を。序 章 異性のにおい第1章 媚薬と香り第2章 エロスの進化論第3章 フェロモンからエロスへ第4章 鼻とセックス第5章 匂いに感じる人々第6章 匂いのエロティシズム私の感想としては……。じゅうぶん面白いと思ったから手元に残しているのだけど、ちょっとドキリとしたり羞しかったりするところもあって(もちろん誰も見ていないので赤面するほどのことでもないのですが)……。鼻は大事です。匂いの好き嫌いも大事です。私は、誰かのためではなく、自分自身が心地よくなるための「ほのかな香り」を纏うのが好きですが(それが好きなオスだけ、寄っといで!!?)。再度、科学的・化学的かつ文化的な本です。
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究極の難書といってもいいぐらいの本です。
とにかく専門的、と言うか読者を選んでしまうのです。
こんな新書があるのも珍しいですね。
タイトルからも分かるとおり18歳未満の読書は
薦められないです。
面白いのはフェティッシュのところ。
ゴムのそれはあまりにも有名ですね。
これを読むために読んでも
絶対に損はないですよ。
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性を生で語る調香師の一冊。生命の原初、性の原始に始まる匂いの役割の重要性を強調しているが、その果てに、匂いをエロスの美学にまで高められる可能性を見出す一冊。
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匂いとは、人類進化の過程で、決して切り離せない大切な一部で在る。
その過程に於いて、匂いや臭いが、今の社会で此れほどまでに好まれもし、嫌われもする所以なのか紐解ける。
読んでいて思ったのは、発酵と腐敗の関係に似ているということ。
友人のレビューで手に取った一冊だが、所謂論文調ではなく、素人にも分かりやすく読んでもらうための筆者の努力が垣間見える。
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調香師でもある著者が、
「匂い」のヒトの性への関わりを
生物学や文化史の面から探る試み。
興味深くサクサク読めたけど、
うーん、なんか食い足りない(´・ω・`)。
タイトルの割りにはエロに切り込んでいないせいか(笑)?
抽象的なテーマを扱うなら、それ故にこそ、
具体的な話をわかりやすくたくさん並べてほしかったなぁ。
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嗅覚の重要性を示すためというのは分かるんだが、中盤以降同じようなことが言い方を変えて繰り返されるので読むのが辛かった。極端なことを言えば、あとがきのみでも著者の言いたい事は伝わる。
ともあれ、著者の主張には大変興味をひかれた。
図書館にて。
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調香士による匂いとエロスの話
匂いを感じる鼻とエロスのことや
脇の下の香りとダンスの関連や
とてもおもしろい説が展開されています
2012/09/01
再読
2018/02/09
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目次
序章 異性のにおい
第1章 媚薬と香り
第2章 エロスの進化論
第3章 フェロモンからエロスへ
第4章 鼻とセックス
第5章 匂いに感じる人々
終章 匂いのエロティシズム
======================
第1章 媚薬と香り
人類は長い歴史の中で、様々な香料を求めてきた。
しかし、現在でも残る動物性香料はムスク、竜涎香、シベット、カストリウムの4種類のみである。
だが、この中でも麝香鹿の香嚢から取れるムスクは、全世界で絶大な人気を誇っていた。
古代インドにも記述が見られ、イスラム圏でも珍重されている。
だが、実はこのムスクは人間の脇の下から分泌されるアンドロステノールに似ている。
第2章 エロスの進化論
第3章 フェロモンからエロスへ
かつて、人間以前の哺乳類にとっては匂いは、縄張りや個人情報(雌か雄か?、健康かどうか?)を主張する重要な情報であった。
特にメスの排卵情報をオスに伝える重要な役割があったと考えられる。
しかし、人間はあるときからこの情報を秘匿するようになってしまった。
このメリットについては、
時期を隠すことにより、その時期以外でも交尾を促し、結果、沢山できるようになった。そして、不特定多数のオスとの交尾が可能になった
↓
・メスの気を引くために、オスはメスにプレゼントをする
↓
・オスを選別にかけ、結果、優秀なオスとつがいその個体とのペア・ボンドが強化された。
↓
・オスは自分の子と確信し、ますます子育てに励む
これが人間の核家族化を進めた。
また、人間は総じて他の動物に比べ匂いに鈍感である。
これもまたメリットがある、と作者は考える。
人間には昆虫のようなダイレクトにきくフェロモン、つまり媚薬はないとされる。
ここでいう媚薬とは気づいたら相手との性交になだれ込んでいた、というような直接的な行為を促すものを指す。
そのかわりに、性行動(セックス)と、社会学としてのセクシュアリティを分離した。
それを促したのは脳、特に視覚野の発達と嗅覚の相対的低下である。
複雑な過程を経て、視覚刺激を性的興奮に結びつけるようになったのだ。
さらに、さまざまな情報を統合して、自家発情できるようになったオスは他者の考えを読み、社会行動をタイミング良く行うことができるようになった。
媚薬のように直接的なフェロモンはないとされる人間だが、一方で、フェロモンを感知するための器官、ジョビ器官があるとする説もある。
また、前述したアンドロステノールは「プライマーフェロモン」と呼ばれている。これはその気のない相手をその気にさせるのではなく、親密さを感じる相手との関係をより加速させるものである。
第4章 鼻とセックス
第5章 匂いに感じる人々
古くより、鼻と性器は密接に結び付けられていた。
実際に、匂いが感じられなくなると、性欲も落ちるという例もある。
最近は���嗅覚レセプターを作り上げる遺伝子が、非常に良く似たレセプターを精子に発現させている。
<感想>
排卵日や脳の発達など、着想は面白かったけど、ちょっと著者の発想に対する裏付けが乏しいかなーと思う部分も多々あった。