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実在論と科学の目的 W・W・バートリー三世編『科学的発見の論理へのポストスクリプト』より 上
著者 カール・R.ポパー (著),小河原 誠 (訳),蔭山 泰之 (訳),篠崎 研二 (訳)
ポパー哲学集大成の書として、1980年代に刊行された「科学的発見の論理へのポストスクリプト」(全3巻)中、第1巻の待望久しい邦訳。主著「科学的発見の論理」への批判や誤解に...
実在論と科学の目的 W・W・バートリー三世編『科学的発見の論理へのポストスクリプト』より 上
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商品説明
ポパー哲学集大成の書として、1980年代に刊行された「科学的発見の論理へのポストスクリプト」(全3巻)中、第1巻の待望久しい邦訳。主著「科学的発見の論理」への批判や誤解に答えながら、反証可能性理論を再展開する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
カール・R.ポパー
- 略歴
- 〈ポパー〉1902〜94年。ウィーン生まれ。哲学者。第二次大戦後イギリスに移住し、ロンドン大学教授をつとめた。批判的合理主義の提唱者。著書に「科学的発見の論理」など。
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ポパー科学哲学の最終的発展形態を告げる重要な書物
2002/06/11 22:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀の科学哲学といえば、フレーゲの論理主義を継承したルードルフ・カルナップの論理実証主義と、科学史研究を基礎に組み立てられたトーマス・S・クーンの「歴史的科学哲学」によって代表させられる。本書の著者のポパーは、論理実証主義者でもなく、またクーンの立場にも与しない第3の立場の科学哲学者として特徴づけられる。
ポパーの出世作『探求の論理』は1934年にドイツ語で発表されたが、大きな影響力を持ち出したのは、1959年に刊行された、その英語版『科学的発見の論理』によってであった。本書が綴られたのは英語版準備中の1950年代半ばのことで、本来は『科学的発見の論理』の「ポストスクリプト」としてであった。欧米の研究者には珍しいことではないが、じっくりとなされた深い思索の結果が本書なのである。
以上のような成立事情が示しているように、本書が取り組んでいる問題は、『科学的発見の論理』で披瀝した科学にとってどのようなことが要件として満たされねばならないか、ということである。そして、改めて帰納主義が批判され、批判的実在論を基準とした反証主義の立場が、さらに確率論的判断規準を援用して彫琢されている。実在論については面白い議論が展開されているが、標題の後半部分が謳っている「科学の目的」について本書はそれほど立ち入って論じてはいない、というのが私の印象だ。
私の師は実はポパーの論敵の主要なひとりであるクーンである。クーンは「科学哲学入門」というプリンストン大学での講義において、ポパーをカルナップらと同類の「形式主義者」に数え、自分の陣営を「プラグマティズム」と呼んでいた。ポパーはこの分類論に不満かもしれないが、主要に科学の規定にこだわり、科学の歴史的前提は不問に付しがちなポパーについてのクーンによる特徴づけはやはり当たっていたように私には思われる。他方、同じ土俵で、クーンは自分とそれほど変わりはないのだと率直に認めるポパーに好感を持つこともできた。論敵の著作と対照させて、じっくりと読まれるべき書だ。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2002.06.12)
紙の本
本書目次
2002/04/11 21:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【目次】
編者のまえがき xiii
謝辞 xxi
序章:一九八二年 xxv
実在論と科学の目的 1
序:一九五六年 科学の方法が存在しないことについて 3
第1部——批判的アプローチ
第1章:帰納 13
1. 外国で当惑した哲学者 14
2. 批判的アプローチ,帰納問題の解決 24
3. いわゆる帰納の手続きについて
——学習についての覚書きを付して.および,帰納的スタイルについて 47
4. 帰納をめぐる同族の四つの問題 74
5. 第四段階の問題はなぜ形而上学的なのか 102
6. 形而上学的問題 113
7. 形而上学的実在論 115
8. ヒュームの形而上学——「中立」一元論 127
9. なぜ主観主義的な知識論は失敗するのか 131
10. 謎のない世界 148
11. 理論と理論的概念の身分 153
12. 道具主義批判.道具主義と帰納の問題 158
13. 反科学の道具主義 173
14. 反道具主義の科学 181
15. 科学の目的 186
16. 形而上学的実在論の諸難点——形而上学的実在論者による 208
第2章:境界設定 223
17. 境界設定問題の意義 223
18. 立証主義の事例 229
19. テスト可能性であって意味ではない 242
20. テスト不可能な言明 246
21. 形而上学を「排除する」という問題 248
22. 反証と立証の非対称性 251
23. なぜ擬似科学でさえ有意味なのか——科学のための形而上学的プログラム 264
第3章:形而上学——有意味か,無意味か 271
24. テスト可能性と形而上学についての論理的考察 272
25. 形而上学的用語は経験的用語によって定義できる 293
26. 意味と無意味の変化する哲学 297
原注および訳注 301
上巻訳者あとがき 345
【原書】
Popper, K. R. (Ed. W. W. Bartley, III) 1983.
Realism and the Aim of Science. Routledge, London.
書評:三中信宏 / 「『科学的発見の論理』は進化し続ける——新たな展開としてのポストスクリプト」