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商品説明
1990年5月。たたき上げの会社社長が首だけの死体となって発見された。凄惨な現場の壁にはビアズレーのサロメの絵が…。会社経営をめぐる陰謀が囁かれ、人気画家でもある社長一家の和彦、帆奈美兄妹が疑われる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
平石 貴樹
- 略歴
- 〈平石貴樹〉1948年北海道生まれ。作家。東京大学教授。著書に「虹のカマクーラ」「フィリップ・マーロウよりも孤独」「メランコリックデザイン」など。
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紙の本
珍しいミステリー
2002/07/01 16:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マキと希美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1990年5月、会社社長が首だけの死体となって発見された。凄惨な現場の壁には、ビアズレーのサロメの絵が…。会社経営を巡る陰謀が囁かれ、人気画家である社長一家の和彦と帆奈美兄妹が疑惑を集める中、次の犠牲者が出た。帆奈美がオフィリアとなり、軽井沢の川に浮かんでいた…。この連続殺人事件に、美貌の車椅子弁護士、山崎千鶴が挑む!
この作品は「内的独白」という方法で書かれています。これは、登場人物達が見聞きしたり、心に思った事をそのまま書く、というものです。この手のミステリーは初めてだったで、初めは戸惑いましたが、読み進めて行く内に、人の心を覗くという何とも云えない面白さにハマってしまいました。
後、途中で“あの人”がチョイ役で出て来たのでビックリしました。
紙の本
殺しのパズルを笑って解く
2002/07/04 22:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小池滋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも不思議に思ってるんだけど、どうして大学の先生て推理小説を書きたがるんだろうねえ──それとも、推理小説を書きたい人が大学の先生になっちゃうのかしら。マイケル・イネスの本名はジェイムズ・ステュアートでオックスフォード大学の英文学の先生。木々高太郎の本名は林髞(たかし)で慶応大学医学部の先生。この本を書いた平石貴樹の本名は同じで東京大学のアメリカ文学の先生だってね。
だから、バタ臭い教養がプンプン匂ってるのも当たり前かも。19世紀のイギリスの絵かき2人の名画、ビアズリーの「サロメ」と(ジョン・エヴァレット)ミレーの「オフィリア」そっくりの死に方だとか。それに全篇が作中人物の「内的独白」の連続なんだって。よく知らないけど「内的独白」ってのは、心の中で思ってることをそのまま口に出しちゃうようにして小説に書いちゃうことなんだってさ。20世紀の新しい小説家──ジョイスだのウルフだのフォークナーだののお得意の手なんだって。
でも、平石さんて初めっから冗談が好きだから、どこまで本気でそんなハイカラなもんにつき合ってんのかしら。だって、この本じゃちっとしか出て来ない(残念!)けど、最初の『笑ってジグソー、殺してパズル』(いまは創元推理文庫で読めるわよ)から活躍するかわい子ちゃん女探偵ニッキ・サラシーナって知ってるかしら。変な名前でしょ。ミステリ・マニアならすぐ、アッ、エラリー・クイーンの秘書のお嬢ちゃんニッキ・ポーターのパロディだって言うでしょうね。でも普通の日本人だったら『更級日記』にひっかけた冗談だと思うわよ。
こんな風に、バタ臭そうに見えて古風で伝統的なのが平石センセイなのかもしれないわよ。だから今度の小説だって……アッ、ヤベエ! 余計なこと言うと誰も買って読まなくなっちゃうかも。ご免あそばせ。 (bk1ブックナビゲーター:小池滋/英文学者 2002.07.05)