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商品説明
2001年の参院選で民主党から出馬し当選を果たした著者は、半年で国会議員を辞職。その間に何があったのか? 出馬から、同時多発テロ、委員会質疑、政治家評、辞職までを語る。永田町の常識に異を唱える怒りの告発。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
大橋 巨泉
- 略歴
- 〈大橋巨泉〉1934年東京生まれ。早稲田大学新聞学科在籍中からジャズ評論家として活躍。放送作家を経てタレントに。90年にセミ・リタイアを宣言。カナダ等で経営する土産物店の社長を務める。
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紙の本
本当に「失格」してしまったのは
2006/10/26 04:38
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の議員辞職に対しては、大きな非難もあった。当選後わずか六ヶ月での議員辞職。当時の福田康夫官房長官は「職場放棄」と表現した。
しかし、その批判は当たっていたのだろうか。
テレビ司会者として絶頂とも言える時期に、突然セミリタイアを宣言し、すべてのレギュラー番組から降板した著者。あとは事業家を生きながら、悠々自適の生活を送るはずであった。経済的にも何ら不満は無く、もちろん、名誉職としての国会議員など一切興味もなかった。その著者が、なぜ立候補を決断するにいたったのか。
小泉純一郎という人が日本の総理大臣に選ばれたとき、多くの国民は騙された。威勢の良い掛け声と、単純なフレーズの繰り返しに惑わされた。これまでの政治家には無い、裏表の無いわかりやすい政治を行ってくれる人に見立てた。旧来の体制をぶち壊すかのような発言が、反体制的な考え方の人々からも一定の支持を得た。
しかし、この本の著者は見抜いていた。小泉純一郎に日本をまかせていたのでは、確実に日本は退廃する。自分自身の人生プログラムを狂わせても、やらねばならぬことがある。
それからの著者が、何を思い、何に苦しんだか。本書に克明に描かれている。失望と落胆の連続となる国会議員生活の中で、それでも精一杯、小泉純一郎に戦いを挑もうとする著者の姿は悲壮であり、美しい。
そして、結局、著者は国会議員の職を辞することになる。国会という旧いしがらみの凝縮した檻の中で、結果的には著者の志は半ばで中途させられることとなる。
著者の議員辞職は決して批判されるべきものではない。その批判は、著者のような志を持った政治家の発言を尊重しようとしない国会と、このような政治家を守り一緒に戦うことのできなかった民主党執行部に対して向けられるのが妥当であろう。
著者が戦おうとした相手である小泉純一郎は、その後も長期政権を続け、歴代まれに見る高い支持率を得たまま任期満了となった。今後とも政界に大きな影響力を持ち続けることは間違いない。
著者は、自身のことを「国会議員失格」と表現している。しかし、本当に「失格」しているのは誰だ。志のある政治化を排除する国会しか持ち得ず、中身の無い政治家をいつまでもありがたがって支持する、なさけない有権者たちこそ、「国民失格」なのではないか。
紙の本
2002/05/27
2002/05/28 22:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
不偏不党をうたい、長年在野にこだわり続けてきた著者が、なぜ民主党という特定政党に所属し、そしてわずか半年で辞職したのか興味を引かれた。読み進めると、なるほど厳しい党議拘束で形だけの結束を保ったり、執行部批判を許さない党大会など、著者が失望した民主党の内情が細部にわたってよく描かれている。
しかし、民主党幹事長・菅直人氏の再三の電話攻勢に泣き落とされ、民主党の実情も理解せずに出馬した読みの甘さと、著者に投票した41万の有権者に背を向けたことへの反省はほとんどない。著者は「ああ本当に議員を辞めて良かった」と批判を締めくくるのだが、あまりに一方的で、読後に不快感が残る。有権者として誰に投票すべきか考えさせられる1冊だ。
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