フォーチュン・クエスト 新装版 ３ 忘れられた村の忘れられたスープ 下 （電撃文庫）

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：エリック@　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

新装版の第３巻。

前後編に分かれている話の後半が描かれている。鳥に変えられてしまったクレイは元に戻るのか、そもそも魔女の正体は何なのか、という上巻の謎が全て明かされている。

評者はこの新装版を読んで改めて「フォーチュン」の面白さを確認できた気がする。このシリーズの最も面白い点は、絶妙なバランスでキャラが立っているので、物語のあらゆる場面で「ああ、この話のためにこいつがいたのか」という納得というか、感心することがとても多くあるということだろう。今回の話でもそれは実感できる。

例えば、トラップがいない話だとかキットンがいない話などは、一度本を読んでしまうと考えられない。「もし登場人物に彼がいなかったら」と想定すると、ここまで面白い作品にはならないだろう。勿論、だからこそ、パーティが揃っていない時の話が生きてくるのだろうが…。

登場人物がバランス良く組まれているので、どんな展開を持ってきても、とてもいい感じに締めくくれているのが良い。各話の終わりに、必ず次回への伏線があるので、次も読みたいと強く思わせる。ある意味読者を待たせるのがとても上手い作品（作者？）だといえる。

個人的には満足行く新装版だと評価したい。