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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.6
  • 出版社: 集英社
  • サイズ:20cm/221p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-08-781271-5

紙の本

離婚という名のナスティゲーム

著者 井原 美紀 (著)

離婚は結婚の十倍のエネルギーがいるというのに、日本の離婚率は欧米並みに急上昇。女性の意識も確実に変化している。その典型が従順な妻を本気で怒らせたら恐いということだ。笑いと...

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離婚という名のナスティゲーム

税込 1,760 16pt

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商品説明

離婚は結婚の十倍のエネルギーがいるというのに、日本の離婚率は欧米並みに急上昇。女性の意識も確実に変化している。その典型が従順な妻を本気で怒らせたら恐いということだ。笑いと涙を誘い、辛辣に自らの離婚を語る。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

井原 美紀

略歴
〈井原美紀〉東京生まれ。エッセイスト、翻訳家。離婚後は広告・編集プロダクションの主宰と、ブロードバンド放送局プロデューサーを兼任しつつ、恋愛・離婚・旅行をメインテーマにエッセイを執筆。

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紙の本

笑える!でも愚かな体験談と思うなかれ

2002/07/11 18:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小林育子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ラブラブな新婚生活が一転、夫が浮気の達人だった。ここから、激しい離婚のためのナスティ(薄汚い)ゲームがスタート! というこの離婚エッセイは、恋愛マスターとして名高いエッセイスト・井原美紀さんの体験談だ。

 ただし、井原さんは夫の浮気に泣く妻という立場でありながら、読んでも同情や涙が誘われる箇所はほとんどない。それどころか、笑える。声に出してまで笑えてしまったりする。本の帯に作家の篠田節子さんから「サイテー男とカン違い女の壮絶バトル!!」というはなむけの言葉が贈られているが、ドンピシャ! これが笑える理由だ。

 懲りずにバレバレの浮気をしまくる夫がサイテー男だということに、誰も異存がないだろう。なにしろバレたって開き直るし、妻が傷つくことを平気でする。反省するフリぐらいしろよと、読みながら罵倒したくなる。が、妻たる井原さんのカン違いも結構すごい。門限の厳しい親元を離れて「結婚」することで、旅行ライターとして世界中飛び回り、たまに帰国したときは、エリートでハンサムな夫と恋人同士のように熱いひと時をリッチに過ごせるのが、私の「自由な結婚生活」と思っていたのだ! オイオイ、「結婚」してこんな都合のいい「自由」を得るオンナっているのかな?

 それはともかく、怒った井原さんは、まず興信所を使い、さりげなく夫を問い詰める。それで解決不能とみると、仕事を辞めて尽くす妻に変身し、子どもたちと夫に気配りしと、あの手この手で家庭を修復しようとする。このエネルギーがまたすごい。すごいけど虚しい。だって、サイテー男だよ。尽くしたって報われるわけがない。もはや取り戻したいのは「夫の愛」じゃなくて「理想の結婚生活」だ。

 結局、舅・姑までも巻き込んで離婚という結論でナスティゲームは終了するのだけれど、この話を愚かな体験談と思ってはいけない。井原さんがかつて描いたような「結婚生活」を夢見ている女性は多いと思う。ついでに言うなら、元・夫に代表されるサイテー男も少なくないだろうな。井原さんは、離婚して傷つきながらも自立していく。このエネルギーもまたすごい。このナスティゲームは、怒る女・井原美紀の勝利だろう。 (bk1ブックナビゲーター:小林育子/フリーライター)

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