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紙の本
こんな「バイオ」があったのか!
2007/05/30 19:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大ヒットの枠をも飛び越え、超ヒット作品として記憶されているものの中には、同じ原作から、いくつものノベライズが生まれることも少なくありません。「迫り来るゾンビの恐怖」という、古典的とも言える題材を、次世代ハード機で、リアル過ぎるほどに描写し、アクションホラーの代表作ともなった「バイオ・ハザード」も、その例外ではなく、多くの優れた作家たちにより、小説家がなされています。こうした作品を目の当たりにすると、読者は、新しい楽しみを味わうことができます。一つの作品を、どう料理するかを楽しむ、アレンジの妙を体感することができるのです。
さて、本作品で示されている「バイオ」は、ゲームでしか作品に接していない私にとって、衝撃的なものがありました。と、言いますのも、「バイオ・ハザード」は、迫り来るゾンビの恐怖と対峙することが醍醐味の一つとして組み立てられてきます。定型化されたガンシューティングゲームとは違い、どこから攻めてくるかわからない敵に対して、常に気を配り、不利な状況に陥らないように、注意してかからなくてはいけないようなシステムで、構成されています。そのため、プレイヤーは、スカッとした爽快感ではなく、ジリジリとした恐怖と、一瞬の解放感という、ある種ネガティブ方面から来る面白さ、熱さに浸ることになりました。本書でも、この基本的な構図は変わっておらず、主人公たちの一団は「巻き込まれ」る形で、ゾンビと対することになります。
しかし、登場する人物たち、とりわけアリスとレインという二名の女性は、異常なまでにポジティブです。危機に際して悲鳴を上げるどころか、時には、闘争と破壊を楽しんですらいるのです。戦っている相手が、今まで未経験の敵だということを考慮すれば、彼女たちのハードぶりは、本能的な欲求を満たすために人間に襲いかかるゾンビたちを凌ぐと言っても過言ではないかも。フィクションとは言え、人間の闘争に向かう意欲に、戦慄すら覚える描写でした。原作で、ゾンビに恐怖してしまった方には、是非一度読んで欲しいですね。本当に、ビックリしますから。
なよなよした女性ではなく、肉体的にも精神的にもタフで、逞しい女性キャラクターが好きな方にもおススメできます。