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紙の本
寒い冬の夜に
2002/12/12 12:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヲナキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボクは観ていなかったのだけれど以前『水曜日の情事』というTVドラマがあって、その中で毎回、キレ者の文芸編集者を演じる本木雅弘がモルトウィスキーについて蘊蓄を垂れるシーンがあったそうだ。このドラマを観ていた職場の同僚は「あれってアノ本に書いてあったんそのままパクってるやん!」と息巻いていた。
アノ本とは土屋守著『モルトウィスキー大全』のこと(ちなみに土屋氏は日本にモルトウィスキーの存在を知らしめたパイオニアであり、「世界のウィスキーライター5人」にも選ばれたスゴイ人物)。洋酒に携わる商売をされている方々やモルトに関心のある左党であれば、マイケル・ジャクソン(例の方とは別人)氏の著作とともに必ず参考にしていると思われるバイブルである。ボトルごとに見開き2頁を使ってカラー写真や蘊蓄、蒸留所・テイストの特長などを記述した贅沢なガイドブックだが、この本のマニアックな要素を抑えて初心者向けのウィスキー解説書として書き下ろしたのが本書である。ウィスキー誕生の歴史や製造工程などを、面白いエピソードをふんだんに交えながら説明してくれる。その文章からは氏のウィスキーに注がれた愛情がひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらも嬉しくなる。新書サイズとはいえ情報が凝縮されているのでかなりお得。巻末にはミニ・ボトルガイドまで付いている。酒造工場へ見学に行っても、試飲室に直行されるような向きにはぜひとも読んでいただきたい。
土屋氏は言う。「(中略)決して敷居の高い酒ではない。広告では落ち着き払った、いかにも<上質を知る>といった演出がなされるが、私はシングルモルトを一部好事家の独占物にしておくのはもったいないと常々思っている」(P3より抜粋)。うん、本当にそうなのである。シングルモルトはいろいろな表情を持ったとても個性の豊かな酒で、値段は多少高めだけれども一度その味を覚えたら、大量生産の安価なウィスキーなんて飲めなくなる。モルト未経験の方は一度お近くのバーでお試しあれ。冬の寒い日の晩に、荒涼としたスコットランドの風景を想像しながら飲むウィスキーはまた格別である。
それにしてもモルトウィスキーが広く膾炙されるのは歓迎なのだが、ワインブームのような浅薄な流行にはなってもらいたくない。女性経由のブームはお追従型の犬男たちの関心をも誘導してしまうので、対象がスポイルされがちである。かといってどこかのハードボイルド作家連中のように、「男の酒」を気取って飲むのもどうかと思う。ひっそりと末永いおつきあいをしていきたい酒である。
紙の本
ウィスキーだけの本ではない
2012/10/23 08:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:W124 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シングルモルト入門の本としては最適ですが、それだけではなく、スコットランドの地理や歴史も書かれているので、一度、旅行してみたい気分になりました。特に、アイラ島のホテルでの様子が印象的です。酒好きの人だけでなく、ヨーロッパ文化にあこがれている人には新しい発見があるでしょう。