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ファントム ツヴァイ
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紙の本
殺し屋
2003/02/08 04:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
既刊の「ファントム アイン」の続編。
本作品はもともとPCの18禁ゲームを原作としており、その意味では業界的に畑違いの作品である。しかし、最近のライトノベル業界の低迷を背景にその裾野が広がった結果、これまでは見向きもされていなかった「世界」が日の目を見ることになった。「ファントム」はその日陰の世界から颯爽と登場した作品であるといえる。
まず、本書は山田秀樹氏の挿絵で目を引くが、それ以上に作品の完成度が極めて高い。勿論、題材にしているのが「殺し屋」というべたな題材ということもあり、ストーリー展開についても2手3手先が読めるという、ある意味B級アクション映画のノリではある。しかし、流れるようなストーリー展開、そして、読み終わった後の満足感、などを考えると、単なる「B級」では括れない存在感もそこにある。
前作では、一介の高校生であった日本人の主人公が、事件に巻き込まれアメリカの組織の「殺し屋」として生きていくことを余儀なくされた。本作では、その時に主人公と心を通わせたホームレスの少女が、かつての主人公と同じく、組織の「殺し屋」として生きることを余儀なくされるという、韻を踏んだ展開をみせている。
これ以上のネタバレは避けるが、前作と本作で綺麗に話が補完されているので、読みものとして単純に面白い。
作品を例えていえば、ジャンルは異なるが、同じPCゲーム畑の「EVE」とどこか同じ匂いを発している。そこかしこに虚無感が漂っており、それがいい具合に作品を彩っている。
正直なところ、これまでのライトノベルとは色合いが異なるので上手く表現しづらいが、業界的には目新しい部類に入る作品だろう。単純なラブコメにはない刺激が欲しいのであれば本作はお奨めの一作だ。まず後悔はしない。