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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
絵柄的にはこの頃が一番美しいと思う。
狩野の髪の毛、草や花の絵、どれもため息が出る。
狩野がなぜ男の子になりたかったのか、理由がわかると切ない。
紙の本
1粒の世界
2003/01/26 18:43
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投稿者:ヒヨちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、吉野朔実の描いた漫画の中で、まぎれもない傑作の1つである。
もちろんこれは少女漫画であり、ストーリーがある。しかし、そのストーリーをここで文章にしても何も伝わらない。そういう類の物語である。何故ならば、この物語は絵と言葉を使いながら「人が言葉ではうまく言いあらわせないもの」が描かれているからである。絵や言葉は形であり、器である。しかし器に入らないもの、形のないものが、この世界には必ずある。<目には見えないもの、形のないもの、手では触れられないもの、しかし確かにここにあると信じられるもの>そんなものを大切だと思える人には、読んでほしい作品だと思う。
吉野朔実には言葉のセンスがある。形のないものを形ある言葉を組み合わせることによって、表現するセンスがずば抜けている。さらに、この作品のなかで、ちりばめられているシーンの1つ1つは印象的であり、センスある言葉とあいまって、彼女の描く世界の色をより色濃く表現してゆく。つまりストーリーテラーとして優れているということであろう。
物語は作者の手を離れて読者の目に触れた時点で読者のものとなる。この作品が「わからない」(つまらない)という意見も当然あるのだ。これは著者と読者の【感性の相性】の問題であろうと思う。しかし、書名や表紙の絵や帯の言葉やエピローグに何かしらの引っかかりを感じた人が、読んで後悔する事はまずないはずである。
限りある人生、どこに宝物が落ちているかわからない。しかし、まずは本を開いて出会わないことには、見つける事ができないのだ。
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吉野朔実の世界は、美しくて強くて恐い。そうそう、中学生の頃は皆観念やら欲望やらが化け物みたいに膨れ上がって、でもそれは自分で決してコントロールできなくて。見ようによっては「なんだかんだいって守られているから甘えられる、自分に浸っていられる」のかもしれないけれど、でも本人にとっては大問題で必死だった。そんな気持ちを思い出す漫画。
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中学校の頃、友人から借りて読んだ思い出の本。
この本には影響されまくりでした。
詳細は後日ゆっくりかきます♪
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この人の作品は奥が深い。読み返すたびに新しい発見がある。
「大人だと思って甘く見るなよ」
「子供が育っただけなんだからな」
…なんて台詞、ドキリとする。
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まず、何と言ってもタイトルがいい。『少年は荒野を目指す』これだけで、この作品の成功は決まったも同然だと思う。というわけで二巻も買おう。
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10年ほど前に出会って、それから幾度と引っ越しをしたのですが、それでも手放すことができなかったもの。
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大人になってから読んだことが悔やまれ、また大人になったからこそ判る、少年・少女の揺れがまぶしくてしょうがなかった。大好き、この本。ガラスの十代とはこういうものなのだ、という見本(笑)。
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全てにおいて刷り込まれたかのように私の根底に根付いてしまっている物語です。
文庫版も買いたいなー(ぶーけコミックス所持)
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中学時代にめぐり合ったこの本はその後の自分に多大なる影響を与えた、今も大切な宝物のような本。
名台詞が満載です。
登場人物の言葉ひとつひとつに深みがある。
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ふり向くと
私の記憶からとき放たれた夢の少年は
荒野をめざして走ってゆくのだ
あのときそうしようとしたように
どこまでも
吉野作品で一番すきな漫画。
男の子になりたかった・・寧ろそれが義務のように感じていた都の恋は、やきもきするくらい純粋で、それが故に狂気にも成り得るのだ。
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中学時代にめぐり合ったこの本はその後の自分に多大なる影響を与えた、今も大切な宝物のような本。
名台詞が満載です。
登場人物の言葉ひとつひとつに深みがある。
友人に貸しても共感を得るのは稀な作品ですが、そんなの関係なく自分の中では特別です。
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頭殴られるような衝撃があった作品。
この方の著作は大体読んでますが
何度読んでもこれが一番心震える作品です。
創作しようと言う気を根こそぎ奪われるので
年1回程度しか読んでませんが一生手放せない。
私が生きていく上で考える事の大本が
大体すべて書いてある……。
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ふり向くと
私の記憶から
とき放たれた夢の少年は
荒野をめざして
走ってゆくのだ
あの時
そうしようと
したように
何処までも
何処までも
「赦し」のお話。走っても走っても、自分を赦してやれない限り人はいつも空虚なままなのかもしれない。狩野も黄味島も相手を見つめることを通して、自分を赦していくのである。そうして彼らは荒野をめざすだけの力をつけてゆく。
その後はもう何処までも走ってゆくだけだ。
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少女の自分探しがテーマ。
少年の自分探しとはどうしても同じになれないんだなあ。
何だか切ない。
とはいえ、主人公はかなり特異。
画風(あえてそう表現するに足る)、文体、描写、
いずれも他とは異なり、独自の作品。
後の作者の他の作品ほど、上手くなっていないところが、
またテーマとあっていて、
当時の作者にしか描けない作品になっている。