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商品説明
「少年愛者」たちに対する告発、批判の書。セクシャルマイノリティの中でも今まで盲点となり、その実態が全く謎に包まれていた彼らの本当の姿を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
タブーの彼方より
2003/02/24 02:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:裸足淑女 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゲイやセクシュアルマイノリティについて書かれた本にお決まりのように書かれる、「常識って、わたしたちがいつも普通だと思っていることって、何なんだろう?」などといった文句。
実にその通りだなぁ、と思う。
「我々は、『常識』の元に存在を抹消されて来たのだ」と彼らは言う。
全く、その通りだ。
女のコたちはそういったゲイたちに優しい目を注ぎ、人によっては憧れに似た感情を抱いたりもする。
それも、ステキなことだと思う。
それにしても、そんな人たちもひとつ教えてくれなかったことがある。
「常識的な人々」によってその存在をシカトされつつ、ゲイやその他のセクシュアルマイノリティにすら快く思われていない存在。
本書はタイトル通り、「少年愛者」に関する本だが、類書(?)のようにマイノリティ寄りのスタンスに立って、彼らのマイノリティとしての辛さを並べる内容のものではない。
この本には、少年愛者への怒り、糾弾、告発、批判であふれている。
少年愛者たちは、ゲイたちが自らを解放するために重ねて来た言葉を「盗用」して、彼ら自身の欲望(幼い少年とのセックス)を正当化する。
もちろん、ゲイに非があるわけではないし、少年愛者もその総てが、上に書いたような批判されるべき人々というわけではない。本書も決して批判一辺倒のものではなく、彼らをどう社会に受け容れるべきかの考察もちゃんとなされている。
しかし、本書の一番の力点は、「マイノリティ=弱者、善」「性被害に遭うのは女性」といった「通りのよい言葉」「判りやすい図式」の表皮を引き剥がし、その下に隠れる生々しい現実を暴き立てることに置かれているように思う。
最後にもうひとつ、本書によって覆された「常識」はおたく男性、それもアダルトゲームなどを愛好する人々が、少年愛者の告発に一役買っていたこと、つまり彼らが、世間で思われているより遙かに理性と倫理を備えた存在だった、ということであろうか。
既に凡庸のひと言になってしまった、「常識って、何なんだろう?」といった惹句。それを遙か凌駕する衝撃力を、本書は秘めている。
紙の本
曖昧模糊とした警鐘
2003/07/19 08:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白鴉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進めるにつれ、広がり行く曖昧さに混乱しそうになった。
著者はどの視点から少年愛者を告発したいのだろう?
善良な市民として? それとも同人誌に関わる人間の一人として?
テーマは非常に意欲的だと思うが、一読してイメージしか残らない
のは告発書としては致命的ではあるまいか。