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紙の本
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)
著者 関田 涙 (著)
【メフィスト賞(第28回)】大学生らが集い吹雪の山荘で行った「探偵ゲーム」。余興のつもりが、翌朝現実の刺殺死体が発見されて事態は一変し…。ヴィッキーという仇名を持つチャー...
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)
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商品説明
【メフィスト賞(第28回)】大学生らが集い吹雪の山荘で行った「探偵ゲーム」。余興のつもりが、翌朝現実の刺殺死体が発見されて事態は一変し…。ヴィッキーという仇名を持つチャーミングな女子高校生が活躍する、メフィスト賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
関田 涙
- 略歴
- 〈関田涙〉1967年横浜市生まれ。
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紙の本
タイトル論に発展・・・?
2008/02/13 07:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝起きて、5~7分の1ほど読んで、夜寝る前に気になって全て読んでしまうから、寝る時間がゴリゴリ削られる辛い生活が続いています。睡眠時間が少し短いのより、体の疲れがとれにくいのはなぜでしょうか・・・。まだまだ若いはずなのに。
さて、今回の本の選択もタイトルですよ。タ・イ・ト・ル。雪国での何かとは想像しましたし、ちょうど今ぐらいの季節にはぴったりでしょう(読書日は二月でした)。そして、そこから連想されるのは、山小屋で起こる密室殺人とか、まさかそんなベタなことを・・・しちゃいましたよ。それでもその方法を色んな作者が取り入れているということは、やはりベタだけれども、読者への挑戦として使うにはいいと判断されているからでしょうか?
この話は、女子高生二人と片方の弟で中学生の計三人が知り合いの別荘へプチ旅行するという設定です。季節はずれの大雪で、仮宿を求めてきたサッカーサークルの大学生。大学生の仲は皆が皆よさそうには見えない。大雪なので部屋にこもっていたら、大学生の一人が、女子高生の一人であるヴィッキーに推理ゲームを仕掛ける。模擬殺人が行われ、その動機について当てられるかが勝負。明日のランチか一日デートかを賭けて。そして一夜が明けて・・・。という風に話が進んでいきます。
感想。大学生の人間関係の描写は割と細かく書かれていたのではないかと思います。今回は特に殺人に直接かかわるので、なおさら重要なファクターですしね。金持ちの令嬢、才色兼備な人、性格に少し癖のある人・・・現実とは少し離れている気はしますが、十分に共感できる設定です。
最近の私は立て続けにミステリーを読んでいるせいで、読んでいるときに抱く違和感が少し鋭敏になっているようです。会話に違和感があるところがいくつかありました。これを書くとネタバレになるので伏せますが、物事を注意してみてみるというのは難しいと、改めて思いました。殺害方法についてはこれかなと思っていたやつでしたが、動機については、読者には最初からわかるようにはできていない点が引っかかりました。文章で読者を騙す手法のそれとは違い、最後の探偵役による犯行の手口の披露時にわかる情報を知らないと、動機がわからないのはフェアでないと感じました。
最近の私のミステリーに対する姿勢としては、読者に対してフェアかどうかということと、タイトルに読者がわかるような意味が込められているのかどうか、という二点を特に重視しています。前者は私の勝手な価値観(恐らく今は特に熱いだけでしょう。今後は熱が引いていくはずです)から来る視点ですが、後者はそういう一時の感情とは違うと考えています。限られた人間が犯人ならば、必ず動機があるように、タイトルをつけた作者にも、何らかの意図があるはずだと考えます。言動には必ずといっていいほど意味が込められます。漠然としていてもいいんです。読了してタイトルに戻ったとき、ぼやっとでも意図が掴めることができたならば、それはいい読書だったのかなという価値観が、浮上しています。それはもっともっと読書を深めて、私の読書の幅を持たせないといけないと思います。そんなことを少し知ってみようかなと思う方がいたら、この小説を私は薦めてみようと思います。
紙の本
いや、わかりませんって。
2008/12/01 21:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだかいやな感じがする真相とトリックである。小説の題材としてはおかしくはないんだけど、ミステリの題材としては使ってほしくはなかったと言ってしまう。こういう所にミステリの芸術性があるようで、でもそれは結局の所現実を入れたくないという私の中の傲慢さが見えてしまっているようで嫌になる。私はそういう気持ちをもった。
関田涙作『蜜の森の凍える女神』は、第28回メフィスト賞受賞。別荘に遊びに行った女子高生たちが事件に巻き込まれる話だ。舞台は雪に閉じ込められた山荘。そこに大学のサッカーサークルの面々が雪から逃げる形で転がり込む。そして行われる殺人。物語の背景として浮かぶある芸術家の生涯。
叙述トリックが使われていますが、これは、確かに叙述トリックかもしれないけど、いくらなんでも気付けないんじゃなかろうか。
作者はこの叙述トリックこそ一番のびっくりポイントだ!みたいに書いているけど、そのトリックのおかげで気付くことができた犯人の「回収しきれなかった犯行の形跡」が…確かに密室を解く鍵だとは思うのだが。だが。だが。些細なポイントに大げさに驚いているように見える。読み込みが足りないのかなー。
また、その「叙述トリック種明かし」からの事実があるのだけど、それがまた、っていうか本当に地の文で嘘ついてませんか?
これらとは別に、冒頭の件なのだけど、女子高生探偵やら、ヴィッキーやら、かわいらしい「読者への挑戦」を出していても、その実、いや、その分事件の真相及び動機の生々しさに裏切られた気分になってしまったのは事実。ひどい事件だ、と思ってしまったのは負けかも。最初っからがつがつとバイオレンスやら欝から、そんな感じで責めてきていない分、ギャップがあった。あのラストの情景こそが嫌であり恐ろしく、あのラストの誠君の感情こそが、切ない。
そんなこんなで愚痴ばかり書いてしまった。読みやすかったけど、すーっと上っ面を滑っていった感があり、良いコメントが書けない。
ただ、ヴィッキーの本当の名前を知りたいから続編があったら読んでみたいとは思う。