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金魚の眼が光る (徳間文庫)
金魚の眼が光る
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電子書籍
タイトルが不気味
2022/06/06 09:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人喰いの時代」に続く呪師霊太郎シリーズの第二作。前作が連作短編集であったのに対し、本作は長編になっています。北原白秋の不気味な詩をなぞらえたように死が続きます。前作の評判が高いのに対して、本作の評価がやや低いようですが、前作はラストのメタミステリ的な部分が面白いものの、それ以外が平凡な感じがしました。それに対して、本作は不気味な雰囲気が一貫した長編になっており、ストレートな作品だと思います。ただ、長編になった分、謎解きの説明がやや不足しているように感じられる部分があり、その点が評価が低いのかもしれません。
なお、2021年に他社で別タイトル「灰色の柩」として再刊されましたが、タイトルに相当する文言が作中には二か所しかなく、意味も伝わりにくい感じがします。それよりは元タイトルの「金魚の眼が光る」のほうが、作品全体の雰囲気をよく表しており、改題されてしまった理由がよくわかりません。
紙の本
殺人をよぶ不気味な童謡
2006/02/03 21:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は昭和十二年、入院した北原白秋のもとに白露と名乗る者から脅迫状が届く。時を同じくして、出版社青楓社の編集者、矢代夕子の本家にも同じ人物から脅迫状が届く。その本家には、遺産相続をめぐって不穏な空気が流れていた・・・。親族会へ出ることになった夕子は、白秋の生地でもある、本家のある九州柳川へと向かうが、そこで待っていたものは北原白秋の童謡そのままに起こる連続殺人だった。名探偵、呪師霊太郎(しゅし・れいたろう)のシリーズ二作目。
北原白秋の詩や童謡は好きなので、詩集や歌集は何度か読んだことがあるのですが、その妖しさ残酷さでハッとさせられることもしばしば、本作で使われている『金魚』もそういった童謡の一つ、子供が金魚を一匹ずつ殺していくといった内容なのですが、その不気味さが効果的に後を引き、一家惨殺の悲劇を異様なまでに盛り上げています。
探偵役の呪師霊太郎は飄々として、どこか金田一耕助を思い起こさせますが、解説によるとやっぱり意識して書いたのだそう。ですが、本家の金田一耕助よりキャラが立っていないのが残念です。