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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.4
- 出版社: 柏艪舎
- サイズ:20cm/365p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-434-02994-0
紙の本
僕はアメリカ人のはずだった
1984年米日作家交換留学制度によって来日した日系三世の詩人による日本滞在記。文化・社会・人種・世代・家族などのテーマを初めて訪れた故郷で改めて問い直す。【「TRC MA...
僕はアメリカ人のはずだった
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商品説明
1984年米日作家交換留学制度によって来日した日系三世の詩人による日本滞在記。文化・社会・人種・世代・家族などのテーマを初めて訪れた故郷で改めて問い直す。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
自分の居場所を確認しよう
2003/05/01 14:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yoshie - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ぼくにとって日本とは、まがい物の野球、『ゴジラ』、『スターマン』を真似た奇妙なSF映画でしかなかった」
東京よりもパリに留学したかったという、日系三世のデイヴィッド・ムラ。アメリカで育ち、三十二歳になって初めて、訪れるつもりもなかった日本の土を踏んだ彼は「成田空港のターミナルに出たとき、ぼくは、税関の人間たちの顔がみな自分と似ていることに驚いた」
そんな彼がアメリカ人の視点から、自分の中に流れる日本人の血を感じながら、複雑な思いで日本を見つめ、自己のアイデンティティを探っていく。
大野一雄について舞踏を学んだり、成田抗争のデモに参加するなど彼の体験は興味深いものばかり。詩人の彼は三浦朱門や円地文子と交流をする。八〇年代の日本を新たな視点から見せてくれる。
この不良っぽい日系三世はどうなっていくのだろうと読み進んでいったが、四世の娘へ「世界と真剣に向きあい、自分の限界を超える存在になりたいと考えるようになってほしい」と託すラストがよかった。私も北海道の人間として祖先とのつながり、祖国とのつながりを改めて見直してみようと思う。
紙の本
私は“誰”のはずだった?
2003/04/25 23:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マンモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひと昔前なら、その時代を象徴するような作家がいて、その作品を読むことにより、他者との一体感を味わったり、自己の内面と対比したものだ。しかし現代においては、多種多様な価値観が巷に氾濫しているけれども、その内容の濃さは著しく薄まっている。しかし本書の著者であるディヴィッド・ムラの語る言葉には、真摯に自分自身と対峙する力強さがこもっている。日系三世である彼は、アメリカ人にも日本人にもなりきれず、一世と二世の葛藤をまるごと引き受けたかのように苦しみ惑う。その姿に自分を重ね、そして引き比べていくうちに、様々な思いが沸き上がり、深く考えさせられた。ノンフィクションだけれども、重厚な純文学を読んだ気分になる一冊だ。