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紙の本
トップシェア攻防戦に待ったなし
2003/11/11 01:16
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投稿者:yurippe - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年も出ました、日経の『市場占有率』。
約180品目のシェア(市場占有率)が収録されており、様々な業界・企業の動きを数値で知ることのできる貴重なデータブックです。
例えば自動車のトップシェアはトヨタ、パソコンはNEC、などのメジャーな業界は誰もが知るところです。けれど、自動販売機、システムキッチン、アイスクリーム、産業用ロボットのトップは——? というと、なかなか出てこないのではないでしょうか。意外な品目で意外な企業が活躍していたり、まったく知らない企業が実は身近な製品のトップシェアを持っていたり…。本書は企業とシェアの視点から、経済を俯瞰させてくれるまたとない一冊です。
長引く景気低迷とデフレの影響で、シェアの寡占化が進んでいる。市場が拡大しないなかではブランド力、マーケティング力、価格競争力が問われる。トップ企業を中心とした上位企業のシェアが高まるのは当然。(文中より)
と、近年のシェアの動向は、上位企業が下位企業に差をつける二極化だと本書は分析しています。こうした興味深いシェア動向の分析と共に、数値から業界各社の経営戦略をウラヨミするのも本書の醍醐味です。
経営戦略の極意は「勝ちの演出にあり」といわれます。どんなに調子が悪くても、いかに「勝ち」を演出するかが重要というわけです。たとえば、サントリーのビール・発泡酒のシェアは10.5%(本書287ページ)。アサヒ、キリン、サッポロの後塵を拝し、社内的にも不採算部門であるため、はっきり言ってビール業界では「負け組」です。けれど、サントリーには「負け組」のイメージはありません。それどころか、オシャレでスノッブなイメージ。もちろん、ビール以外の清涼飲料やウイスキーの好調があるわけですが、明らかなイメージ戦略勝ちです。
また、ソニーのプレイステーション。本書(103ページ)によれば家庭用ゲーム機のシェアで、78.2%の圧倒的トップシェアを誇ります。かつて栄華を謳歌した2位の任天堂に大差をつけてのトップ独走です。ソニーの圧倒的な強さを見せつけられた感がありますが、実はプレイステーション本体(ハード)は、小売価格が原価割れをしているため、売れば売るほど赤字です。ゲームソフトで儲けるビジネスシステムなので、ハードはとにかく赤字を承知で普及させなければならないのです。ですから、ハードがいかにシェアトップといえどもソフトが売れなければ大赤字。昨年はプレイステーションに特筆すべきメガヒットソフトはありませんでしたが、やはりシェアNo.1という称号は圧倒的な「勝ち」の演出です。
そんな各社の「勝ち組」演出戦略をウラヨミするのも一興。数値は時に言葉以上に物語ります。精読、深読み、斜め読み—。どんな読み方でも、きっと数値は何かを伝えてくれるはず。『市場占有率』は、ビジネスマンにとって、きっと読んで損にはならない一冊です。
紙の本
出版社コメント
2003/10/16 15:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェア攻防は下克上の戦国時代に突入へ。日経産業新聞の人気企画「シェア100品目調査」と独自集計あわせて約160品目のシェア動向をまとめた定期刊行書の2004年版。好評の世界シェアは20品目に拡大。
■目次
1章 2002年、シェアはこう動いた
2章 世界シェア
3章 情報・通信・メディア
4章 エレクトロニクス
5章 素材・エネルギー
6章 機械
7章 自動車
8章 住宅・建設・不動産
9章 食品
10章 生活・医療
11章 レジャー・娯楽
12章 輸送・サービス
13章 流通