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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.11
- 出版社: PHP研究所
- サイズ:19cm/238p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-569-63047-2
紙の本
イノベーションできない人は去りなさい!
著者 小林 陽太郎 (監修),経済同友会・次代を造る会 (著),総合研究開発機構 (著)
古い時代から新しい時代へと移る「歴史の峠」に立ちすくむ日本。イノベーション社会にしなければ乗り切れない! 次代を担う経営者と研究者が描く、新しい「この国のかたち」。【「T...
イノベーションできない人は去りなさい!
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商品説明
古い時代から新しい時代へと移る「歴史の峠」に立ちすくむ日本。イノベーション社会にしなければ乗り切れない! 次代を担う経営者と研究者が描く、新しい「この国のかたち」。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
強い日本の造り方の教科書
2003/11/12 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大夢深根 - この投稿者のレビュー一覧を見る
強い日本を作るために、これからの日本は、ソフトインフラ(制度的社会関係資本)の造り替えが必要となることは間違いない。そして、それをする際に不可欠なのが、この本が主張する「変化への適応能力の高い、多元的な日本を造ろう」との理念哲学だ。その意味で、「哲学なくして改革なし」という松井証券の松井社長の言葉にはずっしりとした重みがある。
ソフトインフラの見直しの重要性については、縦割り省庁ごとに出来上がった各種の法規制などのルールと行政指導などのレフェリーの仕組みを根本的に変えていくことが大切なことがわかる。そして、これまでそれができなかった理由も、背景にきちんとした新しい時代の哲学がなかったからだったのだということをこの本を読んで納得した。
ここで著者が主張したいのは、個別撃破的、あるいはもぐらたたき的な規制改革は、できるところまでやりつくしたと言うことであろう。これ以上同じ方法をとっても、これ以上の規制改革は進まない。これから本当に必要となる構造改革の目玉は、もしかすると、法システムそのものの改革であると言うことを、この本は言いたいのではないかと感じる。
官僚がいくら優秀でも、政治家がいくら志が高くても、時代の根本が液状化し、企業の活動や情報やお金の流れが国の枠組みをはるかに超越してしまっているわけだから、彼らだけでいいビジョンやいい法律が造れるはずがない。縦割りの蛸壷のなかではできることに限界があり、それですべてを律しようと考えること自体が傲慢といえよう。
これから必要になるのは、志とやる気のある市民と市場の専門家である非官僚・非政治家の、政治と行政への積極的関与であることが、この本の行間から伝わってくる。また、個人と会社など団体と、中央と地方の政府と、社会との間の関係をもっと柔軟に考えていく必要があることをこの本は教えてくれる。
また、例えば、法学とは今ある法律を解釈するだけの受動的な学問ではない。本書は、法律は守るべきもの、あるいは守らせるべきものではなく、市民の社会生活をより充実したものとするための道具であるという当たり前のことにも気づかせてくれる。ソフトインフラの代表としての法と規制システムの改革は、もっとも大事な構造改革のアイテムなのだ。
最後に、ひとつだけ注文を。「イノベーションできない人は去りなさい!」という題は大変刺激的で、松井証券の松井社長などが言いそうな題名ではある。頭が固くなってなお居座ろうとする各界のリーダーやトップに引導を渡すのであればいい。しかし、正直でこつこつと一生懸命に働く大多数の一般の庶民まで排除するような否定的ニュアンスが、題名だけ見ると感じられるのは残念と言わざるを得ない。
紙の本
著者コメント
2003/11/07 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:担当研究員一同 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の峠ともいうべき時代の大きな変わり目にある今、社会がうまく機能しないのは何故だろうか?
それは、これまで人や社会を動かしてきた理念哲学とそれを前提に構築されてきた社会の仕組みや経済社会の基本のソフトインフラ、つまりコンピュータシステムに例えればオペレーティングシステム(OS)に当たる部分が陳腐化し、新しい社会に適応しなくなっていることが原因といえる。
本書は、将来の世代に残す日本を今よりもよい国にするための基本的な考え方(OS)と新しい時代のビジョンをテーマとしている。
経済同友会次代を造る会の若手有力経営者有志と、NIRAの研究者と有力学者による一年間以上にわたる共同の議論を基に、内容を熟成させ、その成果を図やイラストを交えて、分かりやすくまとめたものである。
また本書は、同時に具体的な公開研究会の模様を再録している。フューチャーシステムコンサルティングの金丸社長、松井証券の松井社長、プランテックの大江所長など、日本を代表する若手経営者の活き活きとした議論と溢れる情熱が本書の行間から伝わってくるのを実感していただきたい。
正に哲学なくして改革なし。しっかりした哲学のない個別改革論や提言は、いくら積み上げても砂上の楼閣になりかねない。その意味で、本書の示す哲学は、政権政党のマニフェストや政策の評価基準を広く市民に提供するものとなろう。
日本復活の哲学を余すところなく論じ、筋道の通った理論的裏づけと志と情熱に溢れた、他に類書を見ない本書を、幅広い世代の方々に、そして一人でも多くの方にお読みいただければと念願している。
皆様よりのご意見ご感想を、以下のアドレスでお待ちしている。
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