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紙の本
えっと、燃料電池って、単三電池よりも大きいのかねぇ?
2004/06/01 12:25
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投稿者:KAZU - この投稿者のレビュー一覧を見る
5年前にエネルギー関係の会議で「水素」の話をしたら、みな笑い、SFじみた話だと相手にされなかった。でも現在では…著者が本文の中で紹介している国際会議での一場面であるが、似たような話をちょっと前に聞いたことがある。それは、大前研一著「インターネット革命」が出版されたあとの大前さんの発言であるが、インターネットで世界がどれほど変わるのか、その当時は全く現在のような状況が理解されなかったとのことである。おそらく「水素」もインターネットと同様の道をたどって行くことであろう。
燃料電池は、来るべき水素経済の中核をなす部分であり、石油に代わり電力を生み出すエネルギー源である。水しか排出しない車に乗り、モバイルPCもコンセントなしで動く。そしてなにより産出地が限定されている(そしてその産出地は政治的に不安定な)石油からの脱却は、環境問題以上に解決しなければならない問題である。
燃料電池が今後普及するためには、様々な問題を解決しなければならない。燃料電池の「燃料」となる水素の製造、輸送、貯蔵の問題がその解決すべき主要問題であるが、実際に現在の世の中の状況はどうなっているのだろうか? そんな疑問に本書は、非常に易しく答えてくれる。
僕が住んでいるオーストラリアでも、政府機関が音頭をとって、水素研究センターが設立されることとなった。本日2004年6月はじめの日本のニュースを見ると、九州大学がトヨタや新日鉄、日立製作所とともに「水素利用研究センター」を福岡に設立するとの記事を見つけることができる。おそらく今後、新聞で「水素」に関する記事が途絶えることはないであろう。燃料電池が完全に普及したあとで、「えっと、燃料電池って、単三電池よりも大きいのかねぇ」などという質問をして、周りから失笑をかわないためにも、燃料電池の現状を易しく教えてくれる本書を「今」読んでおくのも時間の無駄ではないかもしない。