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商品説明
多くの企業、学校、各地の読書会でも採り入れられ、その効果が話題の栗田式速読法。「人生効率」を大幅アップさせるこの読書法を紹介する。2002年刊知的生きかた文庫版を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
栗田 昌裕
- 略歴
- 〈栗田昌裕〉1951年生まれ。東京大学大学院修士課程修了、同医学部卒業。現在、同大学医学部附属病院内科医師、群馬パース看護短期大学教授、エスアールエス研究所所長。
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紙の本
心の奥底にはまだ早すぎる。
2008/10/05 09:50
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今、速読が人気である。
世の中には様々な速読関連の本が溢れ、速読の認知度の高さは既にご存知の通りだ。
私は遅読である。これでもかっ、て程の遅読である。なお、遅読とは、そのままずばり、速読の反対語である(造語である。多分)遅読にも様々な種類の遅読があると思われるが、私の場合、どんな本であれ読むのに時間がかかる。しかも、一度読み出したらその本を最後まで読まないと気が済まない、「完璧主義的遅読」である。読みたい本があるけど、思うようなスピードで読めない。だから本が溜まる。そんな状態に嫌気がさす。また読みたい本ができる。悪循環である。
「そんな私が出会ったのがこの本です。一気に読むスピードが上がりました!」
…なんていうどっかで見たような文章は書けない、この本では。
適当にこの本を選んだのではなく、ダ・ヴィンチの速読特集でこの本の著者を知り、そんなに有名なら効果あるんだろう、なんてな気持ちで読んだ。
著者である栗田昌裕は「SRS(スーパー・リーディング・システム)速読法」の提唱者であり、指回し体操の提唱者でもある。SRS速読法というのは、従来の速読法とは違い、「蝶のような読書」を目指すものであり、文章を他の速読法のように面で捉えるのではなく、空間で捉える。その為に、最終的には自らの心の奥底に潜り、自分の内側から改良を施していく。
つまりこのSRS速読法というのは(他の速読法もそうなのかもしれないが)、本を読む、というよりも、本の中の文章を含む、本を読む自分を自分の中で再構築する方法なのだと思う。文字を読む(取り組む)のではなく、意味を読んで(取り込んで)いくようなイメージに近い。読書の状況、状態を丸ごと取り組むので、労力はかかるが一度身につくと非常に楽であろう。現在の自分を本にトレースするのではなく、本を自分の中にトレースするのだから、まあなんというか、ものすごくアクロバティックだ。
この本は、そのSRS速読法の本当に基本的な入門書になっており、この一冊だけでSRS速読法が身につくものではない。ただ一方で、従来の速読法で謳われているような、速読の為のトレーニング法、使われていない脳の力を引き出す為のイメージトレーニング法、文章を素早く目で追う為の眼球運動トレーニング法などが紹介されており、そこの部分だけでも読む価値はあるかもしれない。
ただ、どうしてもまだ疑いの目(これを克服するのが最初のステップらしいが…)で見てしまうのは、入門書であるからなのかどうかは分からないが、具体的な根拠が詳しく書かれていないからだ。「とにかく信じてやってみなさい!」だからそれが信じられないんだけど…。
一般的な書籍ならともかく、小説や詩など、行間を読まなくてはならないジャンルでも使えるか。微妙である。意味を取り組むには有効だが、表現されていない意味までも取り組むことが出来るだろうか。微妙である。
速読というのは、時間に追われながらも冊数を稼がなくてはならない人には有効だろう。やっぱり使い分けが大事、というのをひしひし感じる。
この本が使えるかどうか。トレーニングしてみないと分からないが、それだったら一般的な速読トレーニング法を扱う書籍を読めばよい。心の奥底はそれが終わってからでもまだ間に合う気がする。