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紙の本
<常磐灯>が明かす事実とは?
2004/03/03 23:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Leon - この投稿者のレビュー一覧を見る
メルファラン伯爵のはからいで、養女のメガンとともにダーヘルの山小屋に隠れ住むことになったブライアリーだったが、メルファランの叔母であり、恩義のあるエアリーの子爵未亡人ロウェナが謀反行為によって瀕死の深手を負ったことを知る。
今ブライアリーが姿を世に晒せば、間違いなく公爵の情報網に捕らえられ処刑の憂き目にあうことは明白であり、ロウェナは間もなく訪れる自らの死を感じ取りながらも、治療師たるブライアリーに「来てはいけない」と伝える。
一方、未だ叔母の窮地を知らぬメルファランは、自らの領地ヤーヴァンネットで、息子を世継ぎとして正式に認知する儀式の準備を進めるとともに、ブライアリーを救うためには自らが公爵となるしか方策がないと確信し、政治的な駆け引きを始めるのだが…
メルファランとブライアリーの結びつきが単なる「よろめき」に見えた前作だが、本作ではメルファランの夢の中に現れた、どこかブライアリーを思わせる女性(自らを<常磐灯>と名乗る)によって意外な事実が語られる。
−「魔女の心は、選ばなければならないときに選びます。そしてひとたび一体となれば、ふたりは、ひとりとして呼吸するのです。海の魔女は、ときとしてし呪縛をよく理解し、注意深くありました。共鳴がすばらしいものであると同時に、危険なものでもあるからです。」−
ここで語られる「共鳴」とは、ファンタジーの起源からすれば当然とも言えるが、フレイザーが分類するところの「共感魔法」の概念そのもの。
ただし、よりロマンティックに活用した才知は著者独自のもので唸らされた。
メルファランとその妻サレイのぎくしゃくした関係も修復傾向に向かい始めるので、三人の関係が今後どのような結末を迎えるのか気にかかるところ。
地、火、海、気という四大に属する4人の魔女や精竜も一応は出揃い、謎の多いシャーリア一族の過去も明らかになってきた。
政治的な駆け引きを含め、最終巻に向けて様々な複線が張ってあるので期待が高まる。