電子書籍
もやもや
2020/02/21 17:00
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体的に間延びした感じのイメージでした。
ストーリーにもキャラクターのも必然性が感じられなくて、
ただ出てきて動いて話をしてるだけのような。
紙の本
スローバラードを口ずさもう(「本の旅人」2004年6月号書評より/前編)
2004/06/04 22:28
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投稿者:杉江松恋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「静かな湖畔」って、知ってますよね。
小学生のころにみんな歌ったことがあるはずだ。もう起きちゃいかがとカッコウが鳴く、あれである。カッコー、カッコーと輪唱する、あれ。村崎友の第二十四回横溝正史ミステリ大賞受賞作『風の歌、星の口笛』の特徴を一言で説明すると、つまりあれなのである。「静かな湖畔」。小説が三つのパートに分かれていて、個々に独立したプロットを持っている。それぞれのパートが追いかけっこをするようにストーリーラインの上を滑っていき、最後でぴたっと終わるのだ。さすがに、カッコーとは言いませんけどね。
なんだか、おもしろそうでしょう? 各パートが、てんでばらばらなのも興味をそそる。開巻一番に参上するのはトッド・マルーンという私立探偵だ。マルーンのいる世界では、〈マム〉と呼ばれる中央管制システムによって住民の生活が管理されている。ところがそこでありえないことが起こった。絶対に死なないようプログラミングされているペット玩具が、次々に動きを止めたのである。すなわち〈死んで〉しまったのだ。依頼人の少女に泣きつかれ、マルーンはこの不可解な出来事を調べ始める。
次に登場するのは、地球から遥か二十五光年先にあるプシュケという名の星を探索するために外宇宙探索船〈クピド〉に乗ってやって来た、ジョーとクレインという二人の科学者である。彼らは二百五十年の眠りから醒めてプシュケに降り立つのだが、そこで予想外の事態に遭遇する。繁栄しているはずの文明が跡形もなく滅びていたのだ。
最後はマツザキという青年が語り手を務める。交通事故の昏睡状態から覚醒した彼は、恋人のスウに結婚を申し込もうと決意した。ところが記憶していた住所からスウは姿を消し、それどころか家族や知人が口をそろえてスウなんて女性は知らないと言い張るのである。記憶が間違っているのか、それとも何かの陰謀か。マツザキは、単身謎を調べ始める。
読者は三つの謎を並行して追うことになるが、もっとも大きな謎は「なぜ三つの物語が並行して書かれているのか」である。最初の二つの物語がSFタッチであるのに対し、マツザキの物語が都市伝説か怪談のようで、異彩を放っているのも謎の一つだ。ちなみにジョーとクレインの物語では、密室殺人としか思われない謎も登場する。彼らは、惑星プシュケに降り立って最初に発見した建物で異常なものを目撃する。一切の出入り口がない室内で、天井に張り付いて死亡しているミイラである。いったいどうすればこんな死に方ができるのか。二人は惑星滅亡の謎と同時にこの不可解な死の謎も追うことになる。
最初に「輪唱」と書いた。まったく異なる旋律がてんでばらばらに演奏されていたら、それは輪唱とは呼ばないよね。この作品の三つの物語はまったく外見が異なるが、実は基底音を共有している。「喪失」というテーマである。失われた恋人を捜し求めるマツザキのパートや、滅亡したプシュケ文明の謎を追うジョーたちのパートが「喪失」についての物語であることは明らかだろう。マルーンの物語は一見別物に見えるが、その中でも何かが永遠に失われる。
→後編はこちら
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第24回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
SFミステリーです。舞台は、宇宙。
この設定ならでは、のトリックです。
ジョーとクレイン博士を乗せた外宇宙探査船《クピド》は、250年の時をかけて、地球の兄弟星であるプシュケに、いままさに到着しようとしていた。
プシュケは、人類が500年ほど昔に、死に瀕した地球の再生プロジェクトとして宇宙に浮かべた人口惑星だった。
しかし、2人を待ち受けていたのは、とうに滅んだ星。
プシュケに何がおこったのか?
地表に降り立ち、調査を開始した2人を待ち受けていたのは、通常では考えられない状態でミイラ化している住民たちの姿だった。
物語は、ジョーとクレイン博士の視点からと、滅びの直前のプシュケの様子とが交互に描かれていき(正確に表現するともうひとつ、500年前のプロジェクトの時代の物語が挿入されているので、3つの物語ですが)、最後に真相が判明する、というかたちになっています。
設定はSFですが、謎が描かれ、やがて解かれる、という点では確かにミステリーで、それでいて、滅びに向かう星の悲しみのようなものは、リリカルファンタジーとも言えるかと思います。
愛ですね。愛。
蛇足ながら、最後に横溝正史賞の選評が収録されていますが、これは先に読まないように!
一部、坂東眞砂子さんの選評で、設定がネタバレされてます。
ネタバレはいかがなものか、とは思うのですが、選者として、この点は書いておきたかったのだな、ということと、主張されてる内容には同感なので、作品を読み終わってから、ぜひ、選評も読んでみてください。
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横溝正史大賞受賞。でもくくりはファンタジー(笑)ミステリじゃないだろ。っつーかその点はどうでもいいって感じ。ファンタジーと思って読む事をお勧めします。
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2004.12.2
涼さんにすすめられて買った、村崎友の「風の歌、星の口笛」を読んだ。
…壮大。そのスケールの大きさに驚いた。ほどよくミステリーで、しっかりファンタジーで、理解できる範囲のSFで、切ないロマンチシズムにあふれている。質実剛健な骨太作品にどっぷりだったわたしの頭に、ほどよい心地よさと爽快なイマジネーションを広げてくれた。
気持ちいいなあ。ひさしぶりにこういう作品を読んだ気がする。ラスト、赤みを帯びたペンダントの意味に気付いたとき、胸が熱くなった。
「向かいの席にやってくる誰かを…来ない誰かを今日も待っている…」
聴いたことのないこのメロディーが、遠くの空から降ってくる気がした。
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SFファンタジー的なミステリー。
なかなか興味深い。
登場人物たちの時代設定が面白い。
でももっと劇的なものがラストに欲しかったな。スゥね。
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3つの場面がああなって物語りがクライマックスになるのだが、どれがどの地点のものか途中こんがらがってしまって、わからなくなった。
しかし、「あぁ、こうなるのか!」と、びっくりさせられたりした。
話はこんがらがったところ以外は読みやすかったです。
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文章が読みやすかったので、思いの外サクサクと進みました。三つの章から織り成される物語たちが一体、どこでどう繋がっていくのか?読み始めは全く分からなくて、でも後半になるにつれて少しずつ物語の繋がりが見えて来て、思わず「あっ!」と一人で声を上げてしまいました。ラストには、もっと盛り上がりが欲しかったけれど一応、これはこれで納得しておきます。壮大な物語であったとは思うのですが、それほど心に残るものでは無かった点が少し残念かなぁ。
ただ、選考委員の方たちも仰っていましたが、SF好きの方から見れば粗がたくさん出て来るのかも知れません。が、私は疎いのでよく分かりませんでした…。
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ファンタジーミステリーだと思って読んだ私は正解だったようです。楽しめました。ただ、紹介文と本文が違いすぎて、本当に焦った。別の本読んじゃったかと思った。
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ジャンルは「ミステリ」になるのかな?
"横溝正史ミステリ"なるものの大賞作品。
①退院後、消えてしまった恋人を探し求める青年の話、
②崩壊を迎える世界での探偵謙小悪党の話、
③地球に代わる惑星を求めて300光年離れた星にやってきて、そこが滅んだ原因を探る研究家の話。
という3つがバラバラに進む1つのもの作品。
3つの話がどう絡むか気にはなったけど、あまり面白くはなかったかな。
風呂敷を広げてみたけど穴があって回収しきれていない感じもしたし。
話とは変わってしまうのだけど、
最後に乗ってた審査員たちの評価が現実的でそういう裏側も見れて良かったです。
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探偵のトッドは、全てが母(マム)によって管理される世界で探偵を営んでいる。ある日彼の周りで死ぬはずのない人工ロボットペットが死に、起こるはずのない停電が起きる。
地質学者のジョーは地球から25光年(250年)離れた惑星プシュケを目指す。プシュケは遥か昔、地球人が作り出した人口惑星だった。しかしジョーがたどり着いたとき、プシュケは砂漠化し滅びてしまっていた。
交通事故での入院から半年ぶりに退院したセンマは、恋人スウに会おうとするが、彼女の家には別の女性が住んでいた。センマはスウを探すが、スウの母親も自分の家族も大学時代の教授も誰もスウのことを知らない。
並行して進む3つの物語。
半分以上読んでもどこで繋がるのか分からん!どうまとまるんだ!と思っていたら最後はするすると綺麗にまとまりました。
選評で(この作品は第24回横溝正史ミステリ大賞)綾辻さんが「いわゆるSFミステリ、いや、これはあえてSFファンタジーミステリと呼ぶべきか」と言っているように、SFやミステリを期待して読むとあれ?となるのかも。あまりそのあたりを気にせず、ファンタジーとして読んだ方が楽しめると思いました。
私はSFに疎いこともあって、一気に引き込まれてがーっと読んだ。素直に面白かったー!と思える作品でした!私はすき!
最後まで読み終わるとタイトルが沁みる~。
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第24回横溝正史ミステリ大賞。2004年。
SFぽい。地球が滅亡する前、他の星に移住した人々がいた。そこプシュケには、マミーのもとで暮らしている人々がいた。ここも滅亡しそうで、また脱出計画が。
3つの物語が並行して語られ、最後はつながる。
んだけど、全然楽しめず。
読み進めても全然おもしろくなく、読み終わるのに2週間もかかってしまった。
この大賞ははずれがないので読んでいるが、こんなこともあるんだわ。
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題に惹かれて読んでみました。
3つの話が交互に来て、何の繋がりがあるか分かりません。
それぞれどうなるんだろうと思うので読み進めましたが、読みにくいと感じました。
最後にああ、そういうことなのかとは思いました。
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横溝正史ミステリ大賞を取った作品だそうな。
でもミステリーというよりライトなSFです。ミステリを期待する人が読むとがっかりすると思われます。時空を超えた舞台の作品にちょっとミステリ要素を含んだ作品があるじゃないですか、そんな感じ。ハリウッドのSF映画にすごいありそう~。