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商品説明
スペインの世界征服とキリスト教的正義から、キリスト教徒のインカ帝国領進入、インカの蜂起と国土回復戦争など、インカ帝国の破滅の過程を体系的に記述する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
インカ帝国崩壊の歴史を読む
2004/06/08 13:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:池田@ママ - この投稿者のレビュー一覧を見る
インカ帝国崩壊
本書はスペインが新大陸捜索を行いインカ帝国崩壊の足音が聞え初めた頃から帝国が崩壊する迄を日本の翻訳書のみならず、海外の専門書を丹念に読み拾い編まれた研究所である。しかし書き口は小説を思わせるような作者の冷静な目からであり、一般の人間が読んでも口に合わないような事は無いと思う。
私は二十年以上前、幼い頃高階良子が描くインカ帝国のマンガを食入るように読み育った人間だが、その時感じた疑問や問題点が本を読み進むにつれ氷解して行くのは非常に痛快であった。娯楽作品のように残虐シーンは極力省いた構成は学術書として読む学生の目を意識したのであろうか。詳細知りたい人の為に巻末には膨大な書籍リストが並ぶ。著者がこの書籍を完成させるまでにどれだけ苦労をしたのかが垣間見れる事よりも、手間を惜しまず、この本を読んで更にアンデス・インカ文明について構想を巡らせるであろう人の事を常に忘れない作者の誠実さが書籍から感じられるような気がした。
キリスト教の布教を進める為。と言う旗印でどれだけ悲惨な事件が起こったのか。読み進むにつれ今もそうではあるが白人がどれだけ有色人種の人権を認めず暴挙の限りを尽くしてきたのが分かる。それは肉体的な苦痛だけでは無い。改宗の強制、人格の否定。正に帝国崩壊と同時にこの本も終わりを告げてしまうのだが、最後のページを捲った瞬間「終った。終ってしまった」と私は何度も次のページを探してしまう程、私はインカ帝国崩壊の悲しい歴史の中にどっぷりと埋まってしまっていた。
定価三四〇〇円は高いので今後簡略版を出す予定であると作者は巻末で語っているが、この内容で三四〇〇円は全然高く無く、全てを読み感じる価値は非常に高いと思う。「インカ帝国物の新しい本は多分もう書く事はないと思う」と作者は語るが是非続編をまた書いて欲しいと思う。装丁も綺麗でとてもこれがオンデマンド書籍とはとても思えなかった。
紙の本
中立・詳細なインカ滅亡の過程の研究書
2004/06/01 18:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:retudou - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランシスコ・ピサロによるインカ征服の過程を取り扱った文献は数多く出されているが、それらには一方の側(たとえばスペイン人)の視点のみで書かれ、彼らの都合のよいように事実の歪曲・誇張のなされてしまったものが少なくない。
この本はそうしたことを踏まえた上で、様々な立場で書かれた膨大な参考文献を元にして、一方の側に偏らないように、また事実が曖昧な事柄はそうであることをしっかりと示しながら読者を誤解に陥れないように慎重に書かれた極めて詳細なインカ帝国の滅亡の記録である。記述の典拠となった資料やさらに深く研究を進めたい人のための文献案内などが非常に充実しているので、この分野を研究するにあたってはまさに必読の書といえるだろう。なお、入門者には近日この本の簡略版も出版されるようである。
紙の本
出版社からのオススメ
2004/10/26 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メタ・ブレーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
インカ帝国の崩壊の過程を、インカ側と征服者スペイン側とを対比させながら追った研究書。インカ帝国征服当時のスペインの世界征服とキリスト教的正義から、キリスト教徒のインカ帝国領進入、インカの蜂起と国土回復戦争、帝国崩壊・文明の破滅までを丁寧に解説。