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商品説明
妻と娘との家族三人暮らし、四十歳すぎて手に入れた郊外の一軒家。大きな不満はない。ごく一般的な、ささやかな幸せ。しかし、そんなありふれた日常に生じた一点の染みが、突如、絶望の底なし沼となって男を呑み込んでゆく。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
福沢 徹三
- 略歴
- 〈福沢徹三〉1962年福岡県生まれ。著書に「怪を訊く日々」「廃屋の幽霊」「真夜中の金魚」「再生ボタン」など。
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紙の本
どこかで起こりつつある、これは恐怖だ。
2004/08/01 21:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:池のワニ - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社勤めの経験があれば、うんうんと頷いてしまう。流行りの“上司本”そのままの、バカ上司にふりまわされる社内エピソードは笑えないが笑うしかない。ビールを飲みながら、贔屓チームの負け試合を観るような臨場感がある。
舞台は大手の百貨店。景気の悪化で、出入りの業者に対する理不尽な要求も一層ひどくなる。そんなだから……と口からでそうになるが、責任回避が上手な上司というのはこれがなかなか沈まない。これがカイシャというもので、主人公の40代の課長は憤懣から辞表を出してしまう。中盤の山場だ。
舞台が職場から家庭に移ったところからがもう一つの山場。もともと温厚な彼は社内ばかりでなく、家庭でも軽んじられてきた。高校生の娘からは、親父が先に入った風呂には入れないとブーイング。一事が万事で、家庭は安楽の場所ではない。ましてや失業中の身となれば。
なんとかなると思っていたが、次の就職先は見つけようがない。現実を嫌というほど思い知らされる。他人事だとは到底思えない、読むほどに、ため息がでてしまうのは彼がとことん善人だからだろう。
築き上げたものは、いつか必ず壊れるもの。よくできたタイトルだ。中年サラリーマンが深みに落ちていく様を描いたリアルな小説。と、見せかけておいて、さらにもうひとひねり。ぞくぞくと悪寒が走る。男は心を徐々に蝕まれていく。なにげなくその気配がつたわる。後半はヒッチコックばりのスリラーの様相。『廃屋の幽霊』もそうだったが、リアルとサイコを橋渡した作品になるほどに冴えわたる。
紙の本
内容紹介
2004/07/14 11:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:幻冬舎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
目覚めるたびに、悪夢が始まる。大手百貨店の課長職、妻と娘と家族三人暮らし、四十歳をすぎて手に入れた郊外の一軒家。ごく一般的な、ささやかな幸せ。しかし、そんなありふれた日常に生じた一点の染みが、突如、絶望の底なし沼となって男を呑み込んでいく。いっそこのまま狂えたら……。業界最注目の気鋭が描く、書き下ろし長編小説!