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おとなしいアメリカ人 (ハヤカワepi文庫 グレアム・グリーン・セレクション)
おとなしいアメリカ人
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紙の本
傍観者なんていない
2004/09/21 18:24
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごがゆうこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい文庫版が出たので、読んでみた。
といって、グリーンのよい読者ではないので、この小説を読むのははじめてだ。
何と言って、グリーンの場合、驚くべきことではないのだが、
ほんとに底知れない読ませる力があって、それは、底知れないと言ったわりには
かなりありふれたもののようにも思える。
しかしどうなんだろう、いまは、それを論じている場合ではないのかも。
訳者は1960年のあとがきでこう書く。
「いつの日か冷戦がやみ、この物語が一篇の歴史小説として読まれるときが来ても...」
冷戦がやもうが何しようが、この物語も、広場で手製爆弾が炸裂するシーンも、いまなお歴史にはなっていないし、
早い話、書かれたときよりも、作者が死んだ今の方がもっとリアルに生きているではないか。
そういうことが永遠に終わらないのかもしれない現在、
結局傍観者にはなれなかった主人公ファウラーの苦悩は、正しくわたしたちに受け継がれている。