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- カテゴリ:小学生
- 発行年月:2004.9
- 出版社: 偕成社
- サイズ:20cm/125p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-03-646020-X
紙の本
空はきんいろ フレンズ
いつもいつも一緒にいることだけが友だちじゃない。たとえ、遠くにいたって、会えなくたって、ニシダくんとアリサは平気。かわりもの同士の冬・春・夏・秋4編の物語。【「TRC M...
空はきんいろ フレンズ
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商品説明
いつもいつも一緒にいることだけが友だちじゃない。たとえ、遠くにいたって、会えなくたって、ニシダくんとアリサは平気。かわりもの同士の冬・春・夏・秋4編の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
大島 真寿美
- 略歴
- 〈大島〉1962年名古屋市生まれ。「春の手品師」で文学界新人賞を受賞。著書に「宙の家」「羽の音」「チョコリエッタ」など。
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紙の本
きんいろの光のなか、2人の思いは……。
2005/02/01 17:22
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投稿者:花の舟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おや?と目を疑うほどに、キッパリとした印象の表紙イラスト。
これまでの大島さんの児童向けの本とは異なるタッチの、細川貂々さんによる画です。キリッとした眉もりりしいアリサとニシダ君が描かれていて、今までの大島さんの児童向けの3冊とは、きっと違う、という所感を持ちました。
ゴジョウガワラアリサとニシダ君、小学生2人の、似たもの同士、変わり者同士のほぼ1年が描かれてゆく物語。これまでの3冊とも、子供の夏休みの出来事がテーマでしたので、今度は1年分だ、と得した気分。
アリサは“ゴジョウガワラ”という名字が好きじゃない。やめてと言っても、ニシダ君はそう呼び続けます。仲が悪いかというとそうではなく、つかず離れずの「2人の関係」があって、それが大人の目から見ても、とっても魅力的。
いちばん好きなのは、第1章にあたる「冬」の章。いきなり、えっ!?というものに、やけにこだわる2人が描かれて、「なんてシュール!!」と嬉しくなってしまいました。アリサとニシダ君の会話が、とてもよかったのです。変わったことをして変わったことを言う2人ですが、ちっとも絵空事でなく、ぴたりとその場にはまっていて「う〜む、そりゃあ気になるわなあ」と、納得させられてしまいました。
細川貂々さんのイラストも、たくさん添えられていて、話の内容と不即不離。文も画もいきいきと輝いています。
このシュールさで2人の1年が過ぎていくのか?と、期待半分、不安半分で、「冬」の章ですっかり引きこまれてしまいました。
「春」になって、1学年上がった2人は、少しだけお互いを深く知り合っていきます。きっと持っている波長が同じなんだろうなあ。男子と女子、変わり者ですが、こまっしゃくれた子供ではないので、それぞれに抱える問題を補いあったりして、お互いに「ほんの少しだけ特別な存在」であることを見出していくのです。
ちょっとドキリとさせられたのは、子供は大人をよく見ているなという、いくつかのエピソード。思い返せば私にも、子供にはわからないと高をくくって、何かを言ったりしたりする親や大人を、なんて失礼な人たちだと感じたことが、何度もあったのです。
最後の「秋」の章では、アリサとニシダ君が、それぞれの想いを胸に、現実を受け入れていくようすが、成長を物語っています。きんいろの空の下、変わり者の2人とともに私もそっと肩を並べて、美しい光を浴びているような気持ちでした。
希望とともにほんの少し、切なさを感じてしまうラストでした。