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紙の本
新聞のデッチ上げ報道による悲劇
2004/10/25 16:41
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日中戦争最中の1937年12月、日中両軍による南京攻防戦が戦われた。そのとき、二人の日本軍将校が、どちらが先に百人を斬り殺せるかを競うという「百人斬り競争」なるものを実行したという記事が、東京日日新聞(現・毎日新聞)に掲載された。日本軍将校は向井少尉と野田少尉。
戦後、両少尉は、新聞記事のみを根拠として中国に拘束・連行され、戦犯として処刑されたのである。
ところが、現在では、根拠となった新聞記事は、戦意高揚のために書かれた、全くのデッチ上げだったことが明らかになっている。(反論もあり、新聞社側は認めていない)
現在、遺族が名誉回復を求めて新聞社などを相手に訴訟を提起している。だが、向井・野田両少尉は今も南京虐殺の象徴として学校で教えられ、中国国内の戦争記念館に展示されているのである。
本書は、この事件の顛末を漫画で描いたものである。百ページ余りですぐに読み通すことができ、大変わかりやすい。
この事件に限らず、「A級戦犯」を含め、かつての「戦犯」とは、いわゆる犯罪人ではなく、戦勝国によって一方的に処刑された不幸な人たちである。敗戦国の軍人だったというだけで、大した証拠調べもなく、罪のデッチ上げなどで理不尽に処刑された人が1千人だ。
よく比較されるのは、原爆投下や東京大空襲などの「民間人大虐殺」を指示した人たちが全く罪に問われていないことである。
多くの国民がこうした問題を認識し、正しく歴史に向き合うことが大切である。