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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.12
- 出版社: 集英社インターナショナル
- サイズ:20cm/356p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7976-7103-3
- 国内送料無料
紙の本
哲学の冒険 「マトリックス」でデカルトが解る
著者 マーク・ローランズ (著),筒井 康隆 (監修),石塚 あおい (訳)
私たちの人生に本当に意味があるのか? 罰せられなければ何をしてもいいのか? この世に完璧なものはあるのか? 死は本当に悪いことなのか? 人気映画を題材に、縦横無尽に哲学を...
哲学の冒険 「マトリックス」でデカルトが解る
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商品説明
私たちの人生に本当に意味があるのか? 罰せられなければ何をしてもいいのか? この世に完璧なものはあるのか? 死は本当に悪いことなのか? 人気映画を題材に、縦横無尽に哲学を語り尽くし、これらの難問を解く鍵を提示。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
マーク・ローランズ
- 略歴
- 〈マーク・ローランズ〉1962年ウェールズ生まれ。オックスフォード大学で博士号を取得。アメリカ、アイルランドの大学で哲学を教授。現在、ロンドン郊外のハートフォードシャー大学教授。
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紙の本
「SF映画」で「哲学」が解る!?
2005/05/16 21:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読むのは昔から大好きで、時には小難しい人文科学の書に手を出すこともある。けれど、哲学書だけは苦手。というのも、小難しい言葉の遣り取りが続き、抽象的な概念が抽象的に説明されるうちに、結局何の話がどう進んでいるのか皆目見当がつかなくなるから——というぼくが、この本を読んでみようと思ったきっかけは、やはり副題ですね。だって“『マトリックス』でデカルトが解る”ですもん。
で、目次を見てみると、『フランケンシュタイン』(ちなみに、ボリスカーロフ主演のものではなく、デニーロ主演、K・ブラナー監督のほう)で実存主義が、『トータル・リコール』でアイデンティティ論が、『スター・ウォーズ』でニーチェが・・・「解る」というのですから、まずは映画論目当て、事のついでに哲学の片鱗でも分かれば(そのつもりになれば)イイヤという軽い気持ちで読み始めた。
“なぜ、SFなのか?”という、読者の誰もが抱く疑問に対して著者はこう答える——SFものは人間とは異質なものとの遭遇を中心に展開する。これらの遭遇は、我々の姿を映し出す鏡のようなものであり、他者を通すことで自分自身がよりはっきり見えるようになる。ウ〜ン、分かったような分からぬような。でも、「序文」では懐疑的だったぼくも、実際に第1章から順に読み進めていくうち、ぐんぐん内容に引き込まれていった。
つまりですね。抽象的な概念を、よりとっつき易い、具体的なイメージを生じさせる方法論としてSF映画を用いているのですよ。論が抽象的な方向へかなり走っても、折々に個々のSF映画の場面や登場人物を挿入してくれるので、読者としては哲学のラビリンスの中で、迷わないようにその都度見つけやすい道標を辿っている感じ。勿論全部が全部分かりやすいわけではない。“『マイノリティ・リポート』で自由意志が解る”などは、映画の比喩をもってしても相当難解だった。
その一方で、『マトリックス』を素材としたデカルト論は面白かったなあー。「我思う、故に我在り」の真の正確な解釈を、『マトリックス』を通して学べるなんて予想だにしなかったもの。“『スター・ウォーズ』でニーチェが解る”も、目から鱗落ちまくり。『スター・ウォーズ』を通してニーチェの思想に触れると同時に、こんな風に『スター・ウォーズ』を読み解くことが出来るのかと、映画論としても新鮮味があった。そして、この章の結びで、何故ダース・ベイダーは(ニーチェが言うところの)「超人」になれなかったのかに言及し、ダース・ベイダーとは何者なのかを分析してみせる。
いや〜、鮮やか!哲学に興味はあれどなかなか人に訊けない映画好きの貴方/貴女にイチオシ!