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投稿者:ぬほがち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ダブルブリッド」で有名な中村恵里加さんの新シリーズ。
相変わらず、素晴らしい文章力。ダブルブリッドもそうなのですが、彼女の作品は「人と人との心情描写」が一級品です。「恋」とか「友情」とか、そんな典型的な感情ではなく、気持ちを抱いている当人ですら分からないような、心の奥底にある人間としての本質。それを持ち前の文章力でうまく表現してる気がします。会話中に出てくる微妙な気持ちの揺らぎと変化を表現している箇所を読んだ時は、あまりの巧さに悶えました(笑)「うぁあぁ〜、巧いなぁ〜」って。
この作品を読んで彼女の作風は決定したのかもしれません。ダブルブリッドと同様、作品全体としての雰囲気はダーク&グロテスクが微妙に混じってます。ただ、全然行き過ぎてない感じ。味付けの域を脱していないというか。ダブルブリッドは「暗い、そしてグロテスク」が代名詞になってしまうくらいでしたけど、この作品のそれはバランスが取れています。非常に良作。一読の価値アリ。
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天然な少女が自然体で非日常に身を置いて行く過程が丁寧に描かれた作品です。
第六回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞
の中村 恵里加先生の最新作で、
雑誌「電撃hp」にて連載されていたものが単行本化されました。
死を招く猫『ハンニバル』と
その主である12歳の少女
『江藤比呂緒』が悪霊退治に
乗り出す物語です。
過去のとある事件で思考能力が極端に低下してしまった少女と、
その周囲の人々の細かな心理描写に好感が持てます。
本書は物語の序章とも言える内容になっていて、
多少展開的に物足りない部分がありましたが、
それは今後に期待というところで。
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主人公・比呂緒の一見するとどうしようもない馬鹿なような、不可思議な言動に惹かれますね。
なんとなく、私的には物語の奥底に触れられる本だなぁという気がします。
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作品はとても面白いです。
ただ、ストーリ的にそうだとわかってますが馬鹿という言葉が大量に出てくるので読んでてちょっと・・・・・・と思いました。
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小学校卒業を控えた少女が父親から誕生日プレゼントを貰った事から物語は始まります。箱の中には銃と、仔猫。そして少女はある少年と出会い―自身の未来を決める事になる。続く…んだよね、コレ?不明な点あり過ぎるし。
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最後までよく分からないところが多かった…。六年前の事件(明海と何があったのかとか)をちゃんと書いて欲しかった。あと三嶋がなんであんなにヒロに揺らいだのか、とか。
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<内容>
「運命。私は彼女との出会いをそう表現する。何とも都合のいい言葉だ。もっとも、そう胸を張って表明できるようになるのはだいぶ先のことであり、出会った時の印象といえば…最悪に近いものがあった」生者の魂を喰らい、死者の魂を引き寄せるハンニバル。主に忠義を尽くし主と共に死ぬ使い魔の常道から外れ、主に不義を働き主を冥府へと誘いながらも己のみは生き長らえるという死を招く猫。そんな使い魔の次なる主―江藤比呂緒は弱冠十二歳で、たぐいまれな霊的な素質を持っているが、とんでもない“大馬鹿者”で…。
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比呂緒は本当に大馬鹿者なんだけれど、自分よりも友達のほうが大事っていう優しいところが好きです。
比呂緒はマヌケなので、読んでいてとてもひやひやさせられました。
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中村恵里加さんの本は、やっぱり他のライトノベルとは一味違う。ライトノベル的な要素がたくさん詰め込まれているのに、それでもどこか独特です。しっかりとした世界観と、美しさを感じる文章。伏線もたっぷりなシリーズ1冊目、という感じなのですが、続きは出ていないようで残念です。
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あー中村さんってこう言う文書く人だったっけ。
興味深い世界ではありました。
でも主線一本で書いたら半分…いや1/3ぐらいに成るんじゃないかと僕は思うw
その周囲のものを巻き込み、いらぬだろうところまで詳細に書いているのだ。
これが好きな人はいいんじゃないかと思う!
文章自体面白く書かれているしね!
どのくらい無駄があるのかと言う話を説明するとですね。。。
蒼儀が比呂緒に会いに来て、比呂緒に会えるまで約20ページを要しているのです。
…
うん。まあそんなわけで。
馬鹿が何も考えてないようで、何か思うところあって
ソウル・アンダーテイカーになったと言うお話だね。
もっと何か1巻でおわるような、そんな類のものだと思ったのですが…これ、続くの…?
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主人公のキャラクターが怖い。何となくダブルブリッドを書いている途中の筆者の心境が伝わってくるような。血と肉と骨の物語。テーマは『欠落』。
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父親からの誕生日プレゼント。
それはモデルガンではない銃だった。
馬鹿にしたような笑い、がデフォルメな馬鹿。
台詞混みだと、ちょっと想像がつきません。
貰った銃によって、違う世界へこんにちは。
しかし本人ありのままに受け止めているので
まったく混乱なし。
良い事、やもしれません。
一番の被害者(?)は売った親父かもしれません。
何だか、出てくるたびに可哀そうな気が…w
そして気になるのは、友人との関係。
家族ぐるみで、一体何が起こったのか。
頭部に穴が空いているのは、関係あるのか。
ところでエーテルって、削られたら
回復とかしないのでしょうか?
出っぱなし、と同じ扱い、になるのでしょうか??
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久しぶりに読み直したけれど、相変わらずよくわからない話だった。思いやりあっているような、エゴをぶつけ合っているような登場人物たち。伏せられたままの過去、時代的に許容される暴力、狂っていると思えた方がいっそ気楽な主人公。精神的に肉体的に殴りつけられるような文章に疲れながらも惹きつけられて読み進めるが、果たしてこの話はなんなんだと思ってしまう。ダブルブリッドは、愛の話だと思えたけれども私にはこの話はわからない。
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物語的には完全に序章であり、その先で語られる話がたくさんあるはずが、その先が存在しない。残念。比呂緒のキャラ造形は今見ても珍しいタイプ。基本馬鹿な子だが、なんというかただの馬鹿な子ではない不思議な感じ。比呂緒ののんびり加減と同じくらいゆっくり進む展開に読んでいて不思議な感触だった。今には無い系列のラノベなので、続編が来たら嬉しいが…
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周りから愚鈍と馬鹿にされている、比呂緒、小学校6年。クリスマス間近の誕生日に父親はリボルバー式のモデルガンを買ってきた。モデルガンの箱を開けると、そこにはしっぽの千切れた子猫が。子猫が言うには、比呂緒には類まれな霊的能力が備わっており、その中の使い手として十分であると…。
ライトノベルですね。けっこう古いこともあり「我が我が」の一人称で突っ走るところが読みやすくも有り読みにくくもあるというありがちな作品。読みにくいのは、その一人称が比呂緒だったりネコだったり三嶋だったりと、部分部分によって変わること。年々そういうのに違和感を感じるようになってくるのだ。歳だろうか。
「ソウルアンダーテイカー」は、羊と言われる地縛霊を開放する仕事。「エーテル」と言われる体の中に存在する霊的な物質を練り込んだ弾を使って、例を撃ち抜く。そこがメインかと思いきや、意外に本作内ではほとんど無いのだな。
代わりにあるのが、全編で「馬鹿」と称される比呂緒の扱いづらさというところにある。友達から三嶋からネコのハンニバルから、10教えても1しか理解できない比呂緒の難しさの日常的な部分がメインの話だ。そしてこれがなんというか、ちょっとばかりやりすぎている感じがして、読んでいて辛い。こういうのを面白がっていた時代なのか、それとも今のように「ギフテッド」などと変にありがたがっていた時代なのか、1990年代の中旬の時代感がわからない以上、理解しようがない。個人的には、やり過ぎで読みにくいし不快でしかなかった。
日常の話で「ソウルアンダーテイカー」の仕事もほとんど描かれず、友達の「エーテル」が少ないこと、過去の逸話、妹が異常に暴力的なこと、「これによって命を落とす」などという予告が拾われていないことなどから、シリーズの1作目ということであろう。
仕事に追われていて気楽に読める1冊と思って手にとって見たが、なかなか読みづらくて1冊に相当時間がかかった。時代のものなのか、ライトノベルを読むテクニックが不足しているのか、どっちなんでしょうかね。