「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.3
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/205p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-08-781306-1
紙の本
世の中意外に科学的
著者 櫻井 よしこ (著)
知ってみると科学ってほんとうに面白い。夢のあるディズニーランドから脳のはなしまで、また、小さなインフルエンザウイルスや細菌、さらには火星や地球、宇宙のことまで、さまざまな...
世の中意外に科学的
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
知ってみると科学ってほんとうに面白い。夢のあるディズニーランドから脳のはなしまで、また、小さなインフルエンザウイルスや細菌、さらには火星や地球、宇宙のことまで、さまざまな視点から科学を探る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
櫻井 よしこ
- 略歴
- 〈櫻井よしこ〉ベトナム生まれ。ハワイ大学歴史学部卒業。ジャーナリスト。94年度SJ賞、第26回大宅壮一ノンフィクション賞、第46回菊池寛賞を受賞。著書に「教育が拓く未来」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
未知のものを知る喜びが科学的に世の中を見る楽しさに結びつく。
2005/04/30 09:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みち秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学技術に対する関心度の低下理由のひとつに、科学技術が私たちの常識では理解できなくなってきたことが上げられる。
本書は科学とは縁遠い政治ジャーナリストの著者がこの科学離れに危機感を抱き、科学が本当に面白く楽しいものであることを伝えたい一念で執筆されたものである。
本書は脳科学、分子生物学(ウイルス)、宇宙工学(原始地球誕生)、人類学(人類の起源)など、解り難いこれらの最先端技術を可能な限りわかりやすい文章で書下ろし、著者の科学技術に対する熱い思いが伝わってくる。
脳科学については難解な脳の神経回路、伝達物質の働きなどは極力言及を避けて、日常生活で活用できるハウツウ、たとえば脳の鍛え方、幼少期の脳の育て方、脳と心の関係などを中心にまとめられている。「人間らしい豊かな心を育てるには、健康な脳を育てる必要がある」と言う。脳を知ることは、心を知ることであり究極的には哲学に結びついていくことに気付かされる。
私たちが抗生物質、ワクチンで征服したはずのウイルスが、耐性を持つ新種のウイルス(SARS、鳥インフルエンザ、HIVなど)に変異して攻撃を仕掛ける様子が描かれている。種の壁を越えないと言われた常識が覆され、彼らとの絶え間ない戦いは人類の宿命かもしれない。人類滅亡後も永遠に生き続けるであろう、この小さなウイルスに逞しい生命力を感じる。
私たちは肉眼では見えない未知のもの、たとえば生命、宇宙などに強い好奇心とロマンを抱く。本書は人類進化の痕跡を時空を越えて辿るストーリーを語り、46億年前の宇宙空間で起きた星の大爆発から地球が誕生するドラマを展開させる。
私たちはこれらを知ることで、微妙且つ精緻なバランスで宇宙空間に浮遊している水の惑星地球に、私たちが今存在していること事態が不思議に思われてくる。
これが科学の面白く楽しいところである。科学を面白いと思った瞬間、私たちは科学から何かを学び取っており、その喜びを知ることが科学的に世の中を見る楽しさに結びつくと思われる。
全体として専門家の書物の引用と語りで成立っており、技術的内容を忠実に伝えようとする姿勢は好ましいが、欲を言えばジャーナリストの視点で、もう少し科学技術に対して主張があっても良かったと思う。しかし自分のジャンルを越えて科学技術を分かりやすく伝えようとした熱意は評価できると思う。
少しでも科学に興味を持つ人と中高生にお勧めの1冊である。