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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.3
- 出版社: ビジネス社
- サイズ:20cm/236p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8284-1175-5
紙の本
日本壊死 新しき人目覚めよ
アメリカ帝国主義とロックフェラー支配の終焉、1ドル60円時代の到来、ユーロの台頭、借金1000兆円国家・日本の地獄絵図、財務省の重罪、次世代国家を作る新しい人たちの登場…...
日本壊死 新しき人目覚めよ
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商品説明
アメリカ帝国主義とロックフェラー支配の終焉、1ドル60円時代の到来、ユーロの台頭、借金1000兆円国家・日本の地獄絵図、財務省の重罪、次世代国家を作る新しい人たちの登場…。日本が歩むべき道を徹底討論!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
船井 幸雄
- 略歴
- 〈船井幸雄〉1933年大阪生まれ。京都大学農学部農林経済学科卒業。(株)船井総合研究所の最高顧問。
〈副島隆彦〉1953年福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。常葉学園大学教授、評論家。
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紙の本
国家を思う反対意見は「敵」ではありえない
2005/06/22 03:48
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者副島氏は、反米保守の有力者である。反米保守は媚中反日の反射鏡ともいうべき見事な対を成しており、たとえば福田和也のような亡国案内人ともいうべき最悪の反米保守などをはじめロクな人間がいない。
そんな中、この副島氏は、自らの立場からそれなりに説得力のある反米を唱える数少ない知識人の一人と言えるだろう。私は、現実感覚の欠片もない反米を無責任に唱える人間は大嫌いである。反米日本に未来はない事は、これから増大する中国と絶対に対決することになる日本にとっては明らかな上にも明らかであろう。
本書の内容をひとことで要約すると、「アメリカは2000兆円の大赤字国である。早晩確実に破産する。そして、このままだと日本はアメリカの破産に巻き込まれ、壊死する。故に、金融鎖国し、国家100年の計を成就すべし」
私と反対の立場の人間だが、言っていることは至極正しい。アメリカは、基軸通貨を発行できる国である。つまり、円と異なり、ドルの信用は無限である。いや、あったはずだった。
しかし、ユーロの台頭とともに、ユーロ建ての国家がジワジワと増加してきた事によって、ドルは往年の色彩を失いつつある。そして、アメリカには日本以上に膨大な借金がある。故に、信用も失ったドルではどうしようもなくなり、破産する。アメリカ国債を数百兆も買い漁っている日本も、同時に沈没することになるおそれもあるというわけだろう。まあ、利回りは悪いが国債からの配当もまた膨大なわけで、100%の損害と言うわけではないが。
著者はこれまで米国金融に関する予言を何個も的中させており、彼の一言に一定の信用力があることは疑いない。しかし、アメリカは絶対に破産などしない。イラク戦争の新の狙いも米ドル基軸通貨体制堅持にもあったとおり、これからもアメリカは戦い続ける。そうしてなりふり構わず防衛手段を取るだろう。
著者の持論「ロックフェラー体制の終焉」もまあ、いつものとおり展開されている。
著者副島氏は、彼なりに日本のことを考えて反米を唱えている。しかし、現状の日本は絶対に何があってもアメリカと事を構えてはならない。日米関係が磐石なら、世界に怖いものなどテロぐらいしかない。日米だけで、世界経済の50%を動かしている。また、日米の軍事費の合計は米英同盟を抜いており、最強の軍事同盟関係にある。
アメリカの保有する兵器は、この50年中国がいかに兵器開発に努力しようと覆るものではないほど差がある。いま中国が台湾に攻め込めば、撃沈されて大恥をかくのは中国の軍隊である。
日米分断は、中韓の最高戦略である。韓国は、事あるごとにアメリカに「竹島問題で協力して日本を叩いてくれたら韓国人はみな親米になるでしょう」などと小うるさくブッシュ・ライスに吹聴してきた。そして、今年中韓政府同士で基本合意された「反日アジア連帯」の最高目標は日米分断である。
この情況のなか本書で副島氏は「共産、公明、社民まで取り込んでアメリカに立ち向かえ」など言っている。米国との同盟とて今後断絶することが(かなり考えずらいが)国益に繋がるかもしれないので、親米論だけでなく、著者の「真面目な(どこまで本気かは不明)」反米論は反対意見として貴重であり、決して誤ってはいない。
無論、中国に尻尾を振るための反米論(古賀誠、加藤紘一、岡田代表など)や、共産崩れの自由国家への反発から来る反米論には気をつけなければならないが。
孤高の評論家ともいうべき著者がなにに怯むでもなく堂堂と持論を展開する姿は、反対意見といえど清清しい。100年先の日本国家を思う志があれば、反米だろうが嫌米だろうが、「反日」ではないということなのだろう。