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天の階 竜天女伝 (講談社X文庫 White heart)
天の階 竜天女伝
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紙の本
天の階竜天女伝
2005/04/03 18:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまか - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言ってしまえば、いろいろなエピソードを一つのストーリーに詰め込んだラブ推理小説といった感じのもの。ただ、推理ものとしてとらえてしまえば、質の悪いものといえよう。ストーリーは、本物の竜天女は誰かといったものなのだが、表紙から竜天女が誰なのかとゆうのは、だいたい検討がついてしまう。それをカバーしているのは、猛き竜=皇帝が表紙の人物とは違ったため、竜天女=皇太后となり得るのか、もしなり得ないのであれば、想い人と共にあるために、皇帝という最高権力者をかわすのかというところで、別の推理を働かせることができるのが救い。さらに、難点をいう。欲張って1冊の本に複数の女性のエピソードを盛り込んだため、結末のないストーリーが複数存在している。皇帝の夜の相手をするのをさけるため、ほかの竜天女、つまりはライバルである女性に自分の身代わりを頼む。頼んだ女性の結末は描かれているが、頼まれた方の女性には、結末がないなど。想像力を働かせて自分で結末を描くという方法もあるが、やはり、作者の本当のところを知りたいところ。その辺りが、評価を下げたもっとも大きな点である。もっともっといえば、竜天女に関しても中途半端な感がないとはいえない。ただ、文章力はあるので、風景、心情などの表現は上手だと思う。しかし、心情の変化が大雑把なものもあるので、自分の恋心に気づくまでの経過がなかったりする。残念。ちょっと、厳しい評価になりましたが、人物像と挿絵は、とても合っているので、読んでみてください。