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- カテゴリ:小学生 一般
- 発行年月:2005.4
- 出版社: ほるぷ出版
- サイズ:19cm/47p
- 利用対象:小学生 一般
- ISBN:4-593-56060-8
紙の本
11の約束 えほん教育基本法
著者 伊藤 美好 (著),池田 香代子 (著),沢田 としき (絵)
1947年に施行された教育基本法は、戦前の軍国主義教育への反省から生まれた。条文をやさしいことばにおきかえた、読みやすい教育基本法の本。立ちどまって本気で教育について考え...
11の約束 えほん教育基本法
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商品説明
1947年に施行された教育基本法は、戦前の軍国主義教育への反省から生まれた。条文をやさしいことばにおきかえた、読みやすい教育基本法の本。立ちどまって本気で教育について考えたいと思う、すべての子どもと大人に贈る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
伊藤 美好
- 略歴
- 〈伊藤美好〉1956年名古屋生まれ。著書に「パンケーキの国で」など。
〈池田香代子〉1948年東京生まれ。著書に「世界がもし100人の村だったら」など。
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紙の本
私たちの心まで支配される時代に、また一歩近づいた
2008/02/16 10:46
6人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1947年に制定された旧教育基本法は、たった11条からなる小さな法律であった。
しかし、その内容は、権力による教育への不当な介入を厳しく律し、子供達が平しく正しい教育を受けることができるよう、教育のあり方を大きく指し示した壮大なものであった。
教育勅語という人間の尊厳を踏みにじった人権無視の誤った「教え」が堂々と幅を利かせていた時代に、多くの「軍国少年」たちが生まれた。教育が戦争拡大に荷担した悪しき時代であった。
敗戦後、日本人は自分達の意志で別な道を歩むことに決めた。いまいましい教育勅語は捨て去り、新しい教育基本法を手にした。
国民がやっと勝ち取ったその教育基本法を、あっさりと、簡単に、ほとんど議論も無く、無理やり、ごり押しで、拙速に変えてしまう理由がどこにあったというのか。
もし変える理由というものがあったのだとすれば、その理由となりえるものはただ一つ。「戦争がしたいから」それしかない。そうでないと変える必要は全く無い。旧教育基本法を憎む理由はそれしか考えられない。
安倍晋三も人が悪い。正直に、「だって戦争がしたいんだもの」とでも言えば良かったのに。それで有権者に信を問うてみろと言いたい。彼のやったことは国会の強行的な運営だけ。わがまま、甘えん坊もさすがに度が過ぎると思うが、その意のままに動く周りの「保護者たち」は何をしていたのか。
「空白の宰相」と呼ばれた前首相であった。願わくば、最後まで本当にすべて「空白」でいてくれた方がいくらか良かった。ほとんど空白と呼べる実績の中で、それだけは絶対やってくれるなと言えるもの“だけ”を、彼はやってしまった。
新しい教育基本法の特色は、第二条(教育の目標)に端的に示される。
『豊かな情操と道徳心を培う』
『公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う』
『生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養う』
『伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う』
生命を尊ぶことはもちろん良いことでしょう。伝統や文化尊重することにも賛成する。しかし、そんなことは法律で強制するようなことではない。しかも、純粋な子供の心に無理やり色をつけるようなことでは決して無い。「強制」などという言葉とは、最も無縁であるべき法律に、それを入れ込んでしまった。
憲法と教育基本法が他の法律と違う点、それはこれらの法律が律するものが権力の側であるという点である。権力の横暴から国民を守るためにつくられた法律が憲法と教育基本法なのである。
国民の心まで支配しようとする悪魔の手に介添えの機会を与える文言など、もともとこの法律には似合わない。
「大くくりの基本法の中のあくまで抽象的な表現」などと言うなかれ。戦争を拡大したい勢力はまず教育に手をつける。軍や権力者の意のままになる国民をつくる地ならしから始める。それは過去の過ちでいやというほど経験しているではないか。
教育基本法の改定は、外堀を埋められたどころの騒ぎではないのだ。私たちの心の中にまで、権力者が侵入する道を作ってしまったのだ。