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商品説明
ボッティチェリからワイエスまで、西洋名画の感動部分を世界最高水準の印刷で再現。天地左右の寸法をもとに、計算で割り出した「原寸」サイズを掲載する。貴重な体験を約束してくれる新しいアートへのアプローチ。【「TRC MARC」の商品解説】
この本にはふたりの読者がいます。「美術を愛する鑑賞のための読者」と「絵の実制作を趣味にしている読者」です。今までの画集は、作品の全体をおさめるために本のサイズによって、絵は任意に縮小された大きさで掲載されていて、物足りなさを感じる読者も多いでしょう。この本は、画家が描いたそのままの大きさを体験したい、画家がどんな色をどんな筆遣いでカンヴァスにおいているか知りたい、という読者の要望を満たす全く新しい画集です。ルネサンスのボッティチェリ『春(プリマヴェーラ)』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』から現代のワイエス『クリスティーナの世界』まで32の名画の見どころとなる部分を、原寸大で掲載しています。【商品解説】
著者紹介
結城 昌子
- 略歴
- 〈結城昌子〉武蔵野美術大学卒業。グラフィックデザイナー、アートエッセイスト。子どもとアートとをつなぐ活動を行い、オリジナルのワークショップ、講演などを展開。著書に「ひらめき美術館」など。
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紙の本
名画への印象が変わる斬新な画集
2006/05/01 17:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あう - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術館や展覧会場などで名画を前にした時に、「こんなに大きな作品だったの!?」とびっくりした経験はないでしょうか。
本書は、教科書や画集の縮小された大きさで見慣れてしまっている私たちに、それに似た驚きを与えてくれる、今までになかったタイプの斬新な画集です。ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ワイエスなどなどルネサンス期を象徴する名画を中心とした画集ですが、他の画集と大きく違う点は、縮小した全体図だけでなく、部分的にどーんと原寸大で載せてあることです。かなりの迫力とともに、絵の具の匂いまでもが漂ってきそうな臨場感を味わうことができます。今まで見知ったつもりでいた名画たちは、いったいなんだったのだろうと思うほどに衝撃的で、はっきりいって、やられました。
私は自分でも絵を描くせいか、絵を鑑賞する際には特に筆のタッチがとても気になります。あの服の質感はどのように筆を滑らせたんだろう、あの部分の色は何色と何色を重ねているのだろうと。美術館では、実際に絵に顔を近づけたり、そこから少しづつ離れて、なるほど、ああいう風に塗ればこういう風に見えるんだと感嘆の溜め息をもらし勉強になったりもします。でも、他の鑑賞者がいたり、また有名な絵などは近づいて観ることのできない場合が多く、心残りのまま美術館を後にすることもよくあります。特に本書に載っている名画などは、実際に目にする機会もなかなか巡ってこないものばかり。無論、顔を寄せて見るなんてことは一生できそうにありません。それが本書では可能で、筆のタッチはもちろん、劣化具合までもよく見ることができます。
もちろん実際に生で見る絵にはかなわないのかもしれませんが、それを差し引いても、印刷物としての限界にまで迫った凄い本だと感じます。名画たちそれぞれに抱いていた印象ががらりと変わってしまうかもしれませんよ。
また、絵は照明一つでも印象が変わってしまいます。私は自作の絵が大きな会館に飾られた経験がありますが、ホールの照明の中に飾られた自分の絵は、びっくりするほど印象が違っていました。自分の絵なのに自分の絵でないような不思議な感覚に包まれて戸惑いを感じました。きっと美術館のような明るい照明の中で実際に描かれた作品は、名画の中には無いのではと思います。私たちが見ている絵と画家自身が見ていた絵は違うのかも。今度は画家自身が見ていただろうアトリエなどの明るさに焦点を当てた画集があれば読んでみたいなと思いました。