紙の本
待ちました
2005/11/03 13:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやあ、待たされました待ちました。シリーズ前作『高く孤独な道を行け』からなんと六年。ようやくのニール・ケアリー四作目です。
恋人と同棲中、所属する朋友会の仕事は休暇中、引退も考えているニールの元に現れた養父ジョー・グレアム。「簡単」だとの言葉を信じて仕事を引き受けたもののそう簡単にいくはずもなく、恋人カレンまで巻き込んだ大騒動が・・・。
前作までは、シリアスさの中の気の効いたジョークや無駄口、シニカルな笑いのバランスが絶妙でした。本作でもそれは同じなのですが、笑いの比重が大きくなっているよう、これまでと比べるとかなりコミカルで軽妙、ヘタをすればただのドタバタ劇で終わってしまいそうな事件ですが、そこはニール・ケアリー、決めるところはビッと決め、今までのファンを安心させてくれます。
『歓喜の島』で活躍した人物が、本作にも重要な役割を持った人物として登場しているのも、ウィンズロウのファンには嬉しい(そしてちょっと悲しい)おまけです。
このシリーズ、全五作なのだそうですが、最後の一作は後日談的な内容なんだとか。ということは、ニール・ケアリーが本格的に活躍するのはこれが最後ということなのかな?とても好きなシリーズなだけに、とても気になるところ。五作目も、早く読みたいような、読んでしまえばシリーズ終了なのでまだまだ読みたくないような、複雑な心境です。
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ニールが動かないとツマンナイ。あとがきで作品の様子がかわったのは…云々ってなんかあったけども、申し訳ないがフツーの読者はそんな小理屈はしったこっちゃないのよ。もっと、ニールに減らず口をたたいてほしかったなー。
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ニールの肉体的なやられっぷりが薄かった。そもそも影も薄かった。かわりに周囲の連中がそれぞれに活躍し、それはそれで面白い。キタリッジとかあんまり覚えてなかったのでちょっともったいない気がしながら読んでいた。後書きによると次作で完結。そのまえに全部読み直そうかな。
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前作までは鬼気迫るスパイ小説テイストだったのが、今回はコミカルなどたばた娯楽小説になってる(?)って印象。貧乏くじを引き過ぎて、世捨て人にでもなりそうな勢いだったニールが、今回は幸せそうなエンディングを迎えていて嬉しい。実は、グレアム(父さん)とニール(坊主)の関係が大好きなのです。
それにしても下品な言葉の翻訳が、いつもながらすばらしいよなー。ははは(汗)。
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ニール・ケアリーシリーズ第四弾。ポリーゲート事件。読んでいる間ジェットコースターならぬウォータースライドに乗っているような感じでした。登場人物が多くてちょっと混乱した。
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ここまできて、物語の側面でしかなかったニールの成長物語が前面に出てきたように思います。
すごくアメリカっぽいスキャンダルに、どたばた劇は楽しかったです。
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前作の『高く孤独な道を行け』もそうだったが、前半はいい。一見簡単な仕事に一筋縄ではいかない要素が加わっていく中での、皮肉と軽口の応酬。
でも後半だんだん話が雑になってくる。
たくさんの糸がからまりあって、からまりすぎて、こんがらがってしまったのをむりやり引きほぐされたような印象を受ける。まあ、えてしてドタバタものはそんな印象なので、そういう系統のものとして読めば全うな流れなのかもしれない。
でも期待するのはそんな話じゃないんだよなぁ。
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待ちに待った、ドン・ウィンズロウのニール・ケアリーシリーズ最新刊。原作はとっくにシリーズ終了しているらしいのに、なぜ翻訳が出ないのか……と思っていたのだが。もしかして、登場人物のすっごい訛りが原因だったのか?なんて。しかしそのくらい、今回の事件の当事者、ポリーの訛りはすごいのだ。
それから、今作は、主要な登場人物誰もが引退を考える。ニールも(彼はいつもだけど)、エドも、キタリッジも。物語の時代背景も一気に80年代に入ったのだが、そのせいだとは思わないが、これまでの、ユーモアはあるけどシリアスな雰囲気は影をひそめ、マンガチックなドタバタが続いていく。
たしかに、これまでの作品に比べたら……ちょっとあっけなく、ボリュームも少なく終わる感じかもしれない。でも、このこの作品がケアリーシリーズの一区切りだと思えば、お祝いもかねてそれも納得じゃないかと思うのだ。個人的には、ずっと続いてほしかったけど。
別作品「歓喜の島」の主役、ウォルター・ウィザーズが、落ちぶれたアル中の探偵として登場しているのが切ない。ウィンズロウは、この作品で作ったウォルターが気に入って「歓喜の島」に登場させたらしいのだが、それだけによけい、「歓喜の島」でのウォルターのスマートさがまぶしすぎて……この作品のウォルターはあまりにも滑稽で哀れだ。
解説がけっこうおもしろかったのも今回の特典。シリーズ最終作の5作目は後日談的だそうなので、5作目はけっこうすぐに出るかしら。
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ニール・ケアリーシリーズ4作目。
ううむ…3作目までとってもおもしろかったのだけど…誰が誰の命令で何をしているかがごちゃごちゃしてて、私には分かりづらく、思わず関係図を書いてしまった(笑)。
もしかすると、ニールが素敵なパートナーを得て、精神的な深い葛藤のなかにいないから、いまいちなのか?!
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シリーズものだけれど、今回は前作までとは趣が異なる。
かなりコミカル路線。
戸惑いもあったけれど、愛着ができているだけに楽しく読んだ。
ストーリーがちょっとお粗末なのは残念だった。
平穏な生活に手が届きそうになると人生はつまらなくなるということの暗示なのか。
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ニール・ケアリーシリーズの第4作目。
第3作目の「高く孤独な道を行け」で、主人公のニールの人物像が変わってしまって、ややがっかりした、という感想を書いたけれども、この4作目ではニールの人物像に違和感を感じなかった。作風はややコミカルな感じになっているけれども、元々シリーズが持っていたミステリーとしての魅力も戻ってきており、3作目に比較すると楽しく読めた作品。
バンコクの洪水騒ぎによって、バンコクを脱出し工場の方で勤務をするようになって、そろそろ1ケ月近くが経つ。その間、ようやくバンコクの洪水も終息の方向に向かいつつあるように感じる。まだ油断は出来ないけれども、あと1-2週間くらいでバンコク都内の水は引くのではないか、という論調が主流になりつつあるようだ。僕がバンコクで居住しているアパートは、結局、浸水被害に会わずに済みそうだ。
しかし、工場近辺のホテル住まいは、そろそろ飽きてきた。平日はいずれにせよ仕事中心の生活なので、バンコクにいようが地方にいようが大きな違いは生活上、実際には大きくないのだけれども、それでも、やっぱりバンコクが良い。早く戻りたい。
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ネバダの片田舎リーノーで恋人カレンと静かに暮らしていた二ールの元に、「父さん」ジョー・グレアムが朋友会の仕事を持ち込んだ。
テレビの司会者ジャックにレイプされたという、ジャックの元愛人のポリーを保護し、裁判できちんと話せるように教育しろという。
しかし、実際はただのゴシップではなく組織犯罪がらみの事件だった。
探偵二ール・ケアリーのシリーズ4作目。今回はゴシップにテレビ、「マイフェアレディ」のような展開、レジャーランド、マフィアに株主と錚々たるエンターテイメントぶり。
ちょっとご都合主義なところもあったけど、テンポも良くて面白かった!二ールも相変わらずちょっと情けなくてずる賢くて良かった。
これが一応最終巻らしいのでさみしい…。
あと後日談?番外編みたいなのが一冊あるらしいのでそれを楽しみにしたい。
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ニール・ケアリーシリーズの第4作。とにかく笑えるシーンが多い。表現は下品だが、よく読むとなかなか上質な笑いで、ウィットに富んだ作品だと思う。プロットも相変わらず秀逸。主人公の存在感がやや薄いのが惜しいかな。
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前作は暗くて暗くてしょうがなかったけど、
今回は軽快に話が進んでよかった~。
ニールとグレアムの擬似親子関係や
登場人物の会話の言い回しが相変わらず素敵。
「簡単な仕事だ、坊主」
老舗銀行の顧客の利益を守る工作員グレアムが
ニールに持ってきた話は、
レイプ被害者ポリーを裁判で証言できるようになるまで
きれいな英語を教えるという任務。
マイ・フェア・レディのパロディも入っててうれしかった。
(←私はマイ・フェア・レディ好き)
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「やあ、父さん。」でおなじみの4作目。残念なのは、3作目も今回も、1作目のニールが伝授された探偵スキルは全然使われないこと。2作目は政治的な薀蓄が多かったので、それでやむを得なく出てこないのかと思っていたが、その後もニールの高いスキルは発揮されない。4作目の背景のスキャンダルとその解決のためのドタバタはいかにもな展開でそれなりに楽しいが、主人公の魅力は特に感じられない。元凶のオンナのアホなしゃべりの訳は面白かった。段々と上手くなるニュアンスもがんばっていたと思われる。