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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.7
- 出版社: ソニー・マガジンズ
- サイズ:20cm/317p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7897-2598-7
紙の本
ダイブ 水深170メートルに逝った愛
海は人生の全てだった。名誉も、豊かさも、自由も、そして愛も。過酷なダイビングのせいでドクターストップのかかったピピンに代わり、若く美しい妻オードリーが170メートルの世界...
ダイブ 水深170メートルに逝った愛
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商品説明
海は人生の全てだった。名誉も、豊かさも、自由も、そして愛も。過酷なダイビングのせいでドクターストップのかかったピピンに代わり、若く美しい妻オードリーが170メートルの世界新記録に挑戦したとき、悲劇はおきた…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ピピン・フェレーラス
- 略歴
- 〈フェレーラス〉1962年キューバ生まれ。のちアメリカに亡命。世界記録を次々と塗り替え、ノーリミッツで到着深度170メートルという天才フリーダイバー。
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紙の本
ダイブ
2005/08/07 13:04
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で何気なく手にとって読み始めたらすぐにやめられなくなって、その後夢中になって読みました。あまりに強烈な物語なので、いろんな感情が一気にこみ上げてきて、対処に困るくらいでした。しかしながら、自分は自分の人生をそれこそ深海にダイブするくらいの覚悟で生きるべしという想いが、まるで読むことで誓いを交わされたかのように強くこみ上げてきました。
著者は自分自身の野心や過ちを認めた上で物語を進めているので、著者を非難するのは容易にできる構成になっています。しかし、著者は、その過ちをすべて引き受けることで関わってくる人物達の生き様をリアルに描くことに成功しています。
不確かな記憶ながら、登場人物のオードリーは本文中にあるようにかつてセイコーの広告に載っていた人だと思います。そして、当時オードリーの死を扱った雑誌の記事も読んだ気がします。そのときも、映画「グラン・ブルー」であつかわれたフリーダイビングは非常に危険なスポーツだという論調だったと思います。
フリーダイビングの記録競争自体はもうやめにしたほうがいい、これだけは私も読後強く思いました。
しかし、それでもオードリーの姿にあこがれをもち、映画「グラン・ブルー」に心底感動した一人として本書を推薦します。
ここには海に対して人が抱く神秘的なまでの感情が鮮明に描かれており、それは海の中で生きていくことはできない人間が永遠に持ち続ける憧憬ではないかと思えるからです。
ジェームス・キャメロンによる映画化が大いに楽しみです。
紙の本
狂気の愛
2005/07/25 13:03
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、海にもダイビングにもまったく無縁ですが、興味深く読みました。
以前、映画「グランブルー」を見たとき、なぜ主人公が海に潜るのか、なぜ過酷な競技に挑むのかが、いまいちピンと来なかったんですが、これはさすがに世界チャンピオン本人が書いているだけあり、そのあたりがよく解明されています。根底にあるのは、ナルシシズムと狂気である、と見ました。本書は、一人のナルシストが、自分自身の業と率直に向き合い、妻の死さえも悔恨とともに美化した奇書である、と思います。
マインドコントロールの面から読んでも面白いですね。記録を追わず、精神性を求めた妻オードリーを、「君なら出来る」という言葉で、追い込んでいく。弟子として師の言葉を信じ、そして夫の狂気を秘めた野心に命懸けで応えることで愛を立証しようとする妻(もちろん自分自身のために)。まさに狂気の愛ですね。まるで濃密なメロドラマを見ているようですが、「アビス」のジェームズ・キャメロンが映画化するんだとか。これは大いに期待できそうですね。
フリーダイビング界の対立に触れている点も興味深い。ライバルであるペリッツァーリが、フリーダイビングをあくまでも「スポーツ競技」として考えていたのに対し、著者ピピンは、むしろ「未知への冒険」として考えていたようです。冒険・スポーツ・精神性の三者葛藤のドラマとしても面白いです。