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紙の本
アンの夢の家 (講談社文庫 完訳クラシック赤毛のアン)
ふたりで見れば世界は輝く。いつも驚かされるめぐりあいの不思議さ。ーーギルバートと結婚したアンは、アボンリーを離れ、フォア・ウインズに見つけた「夢の家」で暮らしはじめる。お...
アンの夢の家 (講談社文庫 完訳クラシック赤毛のアン)
アンの夢の家
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商品説明
ふたりで見れば世界は輝く。いつも驚かされるめぐりあいの不思議さ。ーーギルバートと結婚したアンは、アボンリーを離れ、フォア・ウインズに見つけた「夢の家」で暮らしはじめる。おだやかな内海沿いに建つ家に訪ねて来る、人間味豊かな隣人たちとの、出会い、ふれあい、別れ。そして、やがておとずれる新しい命。魂の邂逅が、いっそうの愛情あふれる人生をかたちづくる。講談社だけの完訳版『赤毛のアン』シリーズ全10巻の5。【商品解説】
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紙の本
「幸せすぎる」アンの試練と魂の王国。
2011/04/08 21:24
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「エミリー」でモンゴメリーにノックアウトされた後
アン・ブックスにしずかに手を伸ばし、7巻まで読み進んだ。
できれば、村岡花子訳の新潮文庫が読みたいところなのだが
うちにあるのは講談社の完訳版なのだった。
アン・ブックスの5巻にあたる「アンの夢の家」では
シンデレラ街道をまっしぐらに進むアンに訪れた、
大きな試練が描かれる。
4巻の「アンの幸福」でも、
赴任した学校での人間関係のつらさという局面があったが
今度の試練はそれを大きく上回る。
アンにとって忘れることができないくらいの
深い悲しみが含まれる試練である。
アンには不幸は似合わない。
しかし、ここで迎えた試練は
アンのその後の人生を、豊かに味わいのあるものにする。
この大きな試練にぶち当たる前に
アンの前に現れる、レスリーという女性。
彼女がアンの経験をまさしく意味のあるものに変える。
レスリーは、それまでアンが出会ったどの女性とも違っていた。
どんなに想像力を駆使しても追いつかないような
悲しみのまん中にいたのだった。
傷つきすぎるくらいに傷ついたレスリーは
そう簡単に、他人に心のドアを明け渡さない。
ましてや、悩みなどなさそうに見えるアンなどには。
誰とでも親しくなれるアンの魔法がなかなか効かないのだ。
感の鋭いアンは、彼女と会ってまもなく
その心の虚ろさにたじろぐが、ある考えに辿りつく。
「レスリーは奥の深い人で、
そのなかに入ることを許された友人にとっては、
王国に入るようなものだと思うわ」(本文より引用)
そして、後日にレスリーの身の上を耳にしてから
彼女の「孤独な魂の王国へ入る道を探し始める」のだった。
アンの分別のあるノックのしかたに、
徐々にレスリーの頑なさも氷解していき、
アンが悲劇に見舞われたときに
やっとレスリーはアンに心を寄り添わせることができる。
ここには、女性どうしの友情の姿の真実が
飾ることなく描かれていると思う。
そして、アン・ブックスは、アンが結婚してからは
大人のための小説なのだとつくづく感じる。
人生を味わい深くするためのスパイスは
甘い香りよりもむしろ
辛かったり苦かったりするものだから、
アンのここでの試練と、レスリーとの友情には
とても惹きつけられるものがある。
そして、気難しいレスリーの魂の王国へ進んでいくアンの
洞察の深さと勇気に感動してしまう。
簡単にレスリーを敬遠してしまわずに包み込もうとするアンに
否定より肯定の力がつよいことの素晴らしさを感じる。
紙の本
新婚時代のアン
2009/02/23 14:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱせりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
無事にギルバートと結婚式を挙げ、新婚時代のアンの日常です。
さまざまな隣人と出会い、小さな夢の家でギルバートとの生活を開始します。
ミス・コーネリアの義侠心には惚れ惚れします。「男のやりそうなことじゃありませんか」といつも言うのは、実は男性に対する深い信頼と期待があるからでは、などと思ってしまいます。
そして悲劇の世界に閉じ込められているレスリーとの出会いは、アンの世界にいっそうの深みをもたらします。
それまで幸せに暮らしてきたアンの周りにはいなかったタイプのレスリー。
アンを襲う不幸に深い同情を示しながらも、アンに不幸が訪れたからこそやっと仲良くなれると打ち明けるレスリーには親近感を感じずにはいられません。
不幸を背負うと、それが誰のせいでもないのに誰かのせいにしたくて、どうしようもないのに他人の幸せを妬んでしまうところが私にもあるからです。
それでもやっぱりアンの世界ですからきちんとロマンチックなハッピーエンドは用意されていますのでご安心を。
ジム船長の人の一生というものについての深い愛情が物語をきっちり締めてくれます。