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村が消えた 平成大合併とは何だったのか (祥伝社新書)
著者 菅沼 栄一郎 (著)
全国に568あった村が、大合併で198に! 奇妙な地名、議員の増大、不便な分庁舎方式、合併特例債という国からのアメと、地方交付税減額というムチに揺さぶられる財政。健全な地...
村が消えた 平成大合併とは何だったのか (祥伝社新書)
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商品説明
全国に568あった村が、大合併で198に! 奇妙な地名、議員の増大、不便な分庁舎方式、合併特例債という国からのアメと、地方交付税減額というムチに揺さぶられる財政。健全な地方自治とは何か。平成大合併の構造に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
菅沼 栄一郎
- 略歴
- 〈菅沼栄一郎〉1955年東京都生まれ。朝日新聞政治部記者として自民党、新進党、民主党などの政党を担当。北海道報道部に勤務。市町村合併、三位一体改革をはじめ地方分権、自治問題を地方の立場から取材。
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平成合併の悲喜交々をリアルにルポ
2005/11/12 21:36
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良書普及人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在進行形の平成大合併の現状を、朝日新聞の菅沼栄一郎記者が、豊富な現場取材に基づき、まとめたのが本書です。
2006年3月時点で村がない都道府県は13県、村が一つだけという府県は11府県になる、といったデータを紹介しつつ、その残った村の「11通りの事情」を、現場取材で丹念に探っています。
飛び地で有名な和歌山県北山村は、「村人の命を守る」ために合併を断念したのだそうです。役場の脇には、役場職員が運転する患者搬送車があり、当番の職員二人が40分離れた病院に患者を搬送する体制になっているのだそうです。合併の話し合いの中で、消防士を合併後の旧村内に常備するように求めたところ、合併の相手側の反応は、隣町の救急車を活用する案だったのだそうです。それでは倍の80分がかかることになり、合併により住民が危険にさらされるのであればこのままでいるのがましというのが村長の判断。
大分県国東半島の先の小さな島姫島にある姫島村。ここが合併できなかった理由は、「役場の給与が周辺町に比べて低すぎた」から。姫島町は、給与を低くし、その分、職員を雇い、島民で役場の仕事をワークシェアーしてきたのです。こうしないと、姫島からは人口が減ってしまうのです。島最大の産業である役場を島民の雇用確保の場として活用してきたのです。合併により、給与水準を他と合致させると、その分職員数を削ることになり、島の人口減に直結するというのです。
野中広務氏へのインタビューも掲載されています。合併の数値目標を掲げる流れを作ったのが、当時自民党の幹事長であった野中氏であるとされているからです。
2000年8月に、野中氏は、自民党本部の講演で、「市町村は1000程度に合併しなければならない」と断言。インタビューではこのことに言及しつつ、野中氏は「明治に3万が1万になった。昭和の大合併で更に3600に減った。それから40年以上たったのに300しか減っていない」、「合併に手をつけて本当の地方分権をやるべきだ」、「(外交、防衛、経済政策など)国は基本的なところだけをやって、後は自治体に任せればいい。財源を含めて」、と語っておられます。
合併推進は、与野党を問わず、当時の選挙公約として、数値目標が掲げられました。それを受けて、政府をあげて、合併推進の舵が切られたのです。
そのような意味では、今回の平成の大合併も、国と地方の仕事の関係に着目し、地方自治体側に地方分権の受け皿を強化するという側面が強いのですが、一方で、住民自治の強化が求められます。
現在では住民参加のための仕組みである地域自治組織、地域審議会などの仕組みが新たに導入されていますが、この本では、住民自治強化のための試行錯誤の取り組みの事例が紹介されています。上越市の「地域協議会」で無報酬の議員の実験が進められている模様、安芸高田市の「振興協議会」の成功例が紹介されています。安芸高田市の川根地区では強力な「小さな自治」=「振興協議会」が機能し、住民のアイデアや自立の競争を促す役割を果たし、マーケットまでも経営するに至っているのだそうです。
大きな制度改正は、それなりに時代の雰囲気を反映しているものです。そういう制度改正の趣旨を前向きに捉え、地域の生き残りのために、皆の智恵を結集すれば、地域が活性化する元気な事例も本の中にはあり、読んでいてホットします。合併の結果は悲喜交々ですが、最後はその地域の地力がものをいうことになるようです。合併の成否で問われるのは、最後は地域力そのものなのだというのが、読後感でした。
紙の本
菅沼くん、そんなところで何してんの?
2005/11/14 13:28
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて泣く子も黙る朝日新聞政治部の敏腕記者として鳴らし、久米宏の隣に座って、自民党のお歴々を滅多切りしていた菅沼先生。そのあまりに傲岸不遜な態度が良心的な視聴者の顰蹙をかっていたことは本人だけは気がつかず、彼の横柄な態度は改まるどころか益々増長を極め、ほとんど視聴者の怒りは爆発寸前のレベルにまで達していた。菅沼先生のスキャンダルが暴露されたのは、そんな矢先だった。傲岸不遜な菅沼記者は実は金と女にだらしが無い男だった。自民党の政治家の金と女の問題を追及する一方だった菅沼先生が、いざ追及される側に回ると、その守りは拍子抜けするほど脆弱で、紙切れ一枚で飛ばされ、あっという間にテレビの画面から消滅してしまうのはサラリーマン記者の悲哀か。菅沼記者がテレビ朝日のニュースステーションから消えて、一体何年がたったのだろう。もう、10年以上も昔のように感じるが、実はたったの5年ほど前なんですね。世の中の月日の移り変わりは速いものです。んで、その菅沼君、一体どこで何をしているのかと思いきや、北海道で市町村合併の現場ルポですか。こりゃ、つらいわ。朝日新聞関係者ならずとも、思わずもらい泣きしてしまいますね。赤坂、六本木の紅灯の巷は遥かに遠く、何時までたっても東京に呼び戻してもらえない菅沼君の孤軍奮闘振りをとくとご賞味あれ。泣けますぞ!