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商品説明
1944年ベルリン、密閉された防空壕。完璧な密室殺人。青年画家・星野は、相次ぐ殺人の背後にヒトラーの切り札「ロムルス」の存在を知る…。時を超えて受け継がれた謎は、世界の現在を揺るがす。傑作歴史ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
後藤 均
- 略歴
- 〈後藤均〉1958年東京都生まれ。シカゴ大学経営大学院卒業。「写本室(スクリプトリウム)の迷宮」で第12回鮎川哲也賞を受賞。
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紙の本
ミステリというより、第二次世界大戦を舞台にした冒険小説です。
2006/10/22 18:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
キレイな装丁と歴史ミステリだということで、惹かれて読んでみました。
すぱーっと簡単に説明することは出来ますが、複雑に説明すると幾らでも複雑に説明できるというぐらい、色々重層に作りこまれています。
最初に書いてしまいますが、本作はミステリというより、冒険小説ですね、、。
主人公は、画家の星野、近江の生まれで欧州に画家の修行に行っています。その彼の残した手記が、一応本書のメイン・パートとなっていて最後にその手記に残された、謎を富井教授が解き明かします。
で、メイン・パートを紹介すると時代は第二次世界大戦中。
欧州をドイツがほぼ支配していた時期に、英国領ながら、唯一ドイツが支配した英仏海峡に浮かぶガーンジー島で不思議な三人の遺体が発見されます。
その三人の遺体、一人は、日本人もう一人は、ヨーロッパ人のメイドの女性、そして、最後の一人は、ドイツのゲシュタポ。
そして、事件の核心に迫るうちに現れるロムルスという謎の言葉、、、。
星野は、事件解明のため、陥落間際のベルリンに単身潜入しますが、、、、、。
トリックの謎解きをメインに置いているというより、
”ロムルス”というキーワードを巡った、戦争冒険小説ですね。
ドイツに支配された片田舎の島の描写なんか、ヒギンズの「鷲は舞い降りた」みたいだし、
陥落間際のベルリンへの潜入とそこからの、脱出と、これだけで、一つの冒険小説がかけます。
事件の真相追及とともに、ドイツの敗戦への道のりが、割と丁寧に描かれています。
予想とは、違ったけど、冒険小説好きの私としては、割と楽しめました。
私は、読めていませんが、 この星野という画家と富井教授は。前作の「写本室の迷宮」からのキャラクターだそうです。
重層に出来ている書きましたが、同時に色んな謎が、作りこまれていて、隠れカトリックだったとされるシェイクスピアや、歴史上の英国内での爆破未遂事件なんかも、
取り入れられています。
ちょっと色んなものを、詰め込みすぎた気もしますが、
歴史ミステリ好きな人は、こういう薀蓄も大好きなので、それは、それとして良いのでは、と。
私は、個人的に冒険小説好きなので、甘めの点数をつけますが、
純粋なミステリを期待すると、ちょっと期待はずれかも、、、。