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紙の本
松井教授の東大駒場講義録 地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る (集英社新書)
著者 松井 孝典 (著)
惑星科学の第一人者である東大大学院の松井教授が、約10数年ぶりに東大駒場の一般教養の講義に登場。その知的刺激に満ちた11回の講義を再構成した、高校生レベルの物理や科学の常...
松井教授の東大駒場講義録 地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る (集英社新書)
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商品説明
惑星科学の第一人者である東大大学院の松井教授が、約10数年ぶりに東大駒場の一般教養の講義に登場。その知的刺激に満ちた11回の講義を再構成した、高校生レベルの物理や科学の常識で読みこなせる「一般教養書」。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
松井 孝典
- 略歴
- 〈松井孝典〉1946年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。NASA客員研究員などを経て、東京大学大学院教授。専攻は地球惑星物理学。著書に「宇宙誌」「巨大隕石の衝突」など。
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紙の本
もったいない
2006/02/28 00:40
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紙魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんと言ったらいいのだろう。十分に面白い内容なのだが紙面不足である。内容的には東京大学出版会の「進化する地球システム」のダイジェスト版であるように思える。どちらがわかりやすいかと問えば「進化する…」の方がわかりやすい。これはページ数の制限による図版の不足からきていると思われるのだがどうだろうか。地球上の生命進化が地球の地学的進化とシンクロしてることはここ数年の岩波新書「地球進化論」やNHKブックス「生命と地球の共進化」などの関連書籍によってある程度浸透してきているといえるだろう。また、太陽系外惑星についてもNHKブックス「異形の惑星」や、「生命の星エウロパ」など優れた啓蒙書が存在する。そのような状況下で本書の果たす役割を考えると「さらに浅く広く」か、「もっと深く」のどちらかである。そういった意味で一般的には中途半端になっていると判断せざるを得ない。むしろ「地球温暖化問題」に対して筆者の考えるところを深く追求した方がよかったのではないだろうか。少なくとも11回に渡る講義をこのような手軽な形で出版しようとした集英社に文句を言いたい。単行本で出しなさい。そうしたらきっと100倍は面白い。
紙の本
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2005/12/28 15:54
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
松井孝典氏の新書は、岩波新書の『宇宙人としての生き方』についで2冊目である。前記の書よりも話のスケールが大きく楽しく読めた。「高校生レベルの物理や化学の常識で読みこなせる」という内容説明通り、最新の比較惑星学が分かりやすく説明されていて、天文好きにはたまらない本でしょう。
私の能力不足のためか7時間目『太陽系起源論』あたりから、述べられる数字の値が大きすぎたり小さすぎたりでイメージがつかみにくくなった。もう少しイラストなどを入れてもらえるとよかったと思う。(この本のサイズでは難しいでしょうが)
子どもの頃から、宇宙には数えきらないほどの銀河があり、太陽系と同じような惑星系がいっぱいあるものだと思いこんでいたが、系外惑星が初めて発見されたのがつい1995年のことだと知り驚いた。
驚いたことと言えば、この講座は東京大学の駒場とはいえ理科系の学生に対して行われたものにもかかわらず、「丁寧に説明しないとほとんど理解されないことに途中で気づい」たとあることだ。「まえがき」における著者の嘆きは東大だけではなく、現在の日本教育を覆っている嘆きだと思った。学力低下も問題だが、このレベルの若者は勉強をしないわけではない。しかし、理科系だと文科系、文科系だと理科系の学問に興味を持たないものが多いように感じる。そして、その結果か「目の輝き」が感じられない人が増えているのだ。
現在の高校のシステムでは多くの生徒が、地学を学ばないまま大学に進学していくので、この分野の後継者を育てるのはさらに大変になっていくだろう。日本がこの分野でいつまで世界のトップに立ち続けることができるか心配である。
「講義の回数や、成績の評価などが各講義でばらつかないよういろいろと細かく規定がある」や「学生による授業評価も本郷よりはずっと進んでいて、すべての講義がおわると細かく分析された授業評価が送られてくる」というようにシステム化されていては、改善の見込みは薄いと思う。養老孟司が『あなたの脳にはクセがある』で書いているように、「シラバスを書こうが書くまいが、面白いことは面白いし、つまらないことはつまらない。そんなことは、わかりきったことであろう。システム化はその単純な理解を妨げる。」のであり、そのようなことばかりに勢力を注いでいるから、学問の世界がつまらなくなっているのだと思う。
最後に一つ苦言を、3時間目『文明とは何か』の終わりで、「このような発想は人文科学、社会科学系の人たちにはできません。しかしこのような発想で新しい国家論、あるいは世界システム論、経済システム論を構築しない限り未来は危うい」といっている。文科系の人間を馬鹿にしているような発言である。私は、理科系の人間と文科系の人間が手を取り合っていかなければ、それこそ未来は危ういと思う。松井教授レベルの人が、セクト的発言をしているのを聞くと淋しい。