紙の本
金融商品は「商品」なんですね
2006/06/11 21:47
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うすかげよういちろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で言う「バカ」とは、「つまらない目に遭う」とか「損をする」という意味だ。
他人よりも投資に関心があり、マネー雑誌などをせっせと読んで、投資信託を買っているような意志の高い人こそが、実はバカをみていると、筆者はいう。
どのような金融商品にしろ、売り手にとっては、利益のもとであり、売り手はその利益でもって生計を立てている。
みんなが、投資信託を買い、株に投資することで、売り手はうまいものが食べられるわけだ。
金融商品も、商品である以上は、売り手が儲かるような構造になっている。
で、この本では、売り手の側から見て、各種金融商品がもうかる仕組みをあばいている。
また、売り手の戦略を知ることで、売り手とどのように応対すべきかというコツも書かれている。
売り手の視点から、書かれた方が出版されるということは、とても有意義であると思う。
実際、マネー雑誌にせよ、投資本にせよ、ほとんどは、金融商品の購入をすすめるような宣伝媒体になっているのだから。
この本でしくみをあばかれる金融商品として、投資信託、株の長期投資、株のチャート分析、長期投資、生命保険、賃貸マンション、毎月分配型ファンド、成功報酬型ファンド、外貨貯金、金投資などたくさんの商品をやり玉に挙げている。
しくみを知ることで、金融商品と、上手に付き合うことができるようになるだろう。
それにしてもほとんどの金融商品は、投資した瞬間に、買い手にとって、損をかかえるということわかる。
購入した時点から挽回して、もうかるようになるまでには、かなりうまく運用しなければならないだろう、ということが実感できる。
ひょっとすると、投資で成功するためには、奇跡的にうまくいく必要があるのかもしれない。
本文の情報は充実しているが、コラムも有益だ。
たとえば、ライブドア事件に象徴されるように、投資のプロといわれる人たちが、必ずしも、正しい方向に動けるとは限らないこともあらためて知ることができた。
紙の本
有益な情報の宝庫
2006/07/23 16:39
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『「投資バカ」につける薬』著者の山崎元(やまざき・はじめ)さんは1958年北海道生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社。以後、信託銀行・証券会社・投資運用会社・シンクタンクなど12回の転職を経て、現在は楽天証券経済研究所客員研究員・マイベンチマーク代表取締役・一橋大学大学院非常勤講師。著書に『ファンドマネジメント』金融財政事情研究会(1995)、『お金がふえるシンプルな考え方』ダイヤモンド社(2001)などがあります。一口で言えば「証券投資のプロ」です。
山崎元さんによると「投資バカ」とは「投資について何も知らない人」のことではありません。むしろマネー雑誌などを読んで研究を怠らないような「意識の高い」人こそが「投資バカ」と呼ばれるべきなのだそうです。具体的には以下のような人たちです。
・投資信託を買う人
・チャート分析を行なう人
・外貨建て金融商品を買う人
・生命保険に加入する人
・投資用マンションを買う人
・毎月分配型ファンドを買う人
・成功報酬型ファンドを買う人
・デリバティブ商品を買う人
・プライベートバンクを利用する人
・・・などなど。かなりキビシイですね。
投資信託・外貨建て金融商品・デリバティブ商品などを含むあらゆる「運用商品」は、収益を売り手と顧客で分かち合う構造になっています。売り手の儲けは買い手の損になるのであり、売り手と買い手の双方が儲かるようなケースはまずありません。
つまり「投資バカ」とはプロの売り手に「カモにされている」われわれ一般投資家のことなのです。
本来「プロの売り手」側の人間であるはずの山崎元さんは、これまでも売り手側のモラルの低さを指摘し続けてきました。信託銀行業界に蔓延する不法行為を匿名記事という形で内部告発した際は、それが転職する要因になったそうです。
歯に衣着せぬ人、妥協のない人、変わり者、一匹狼という印象の強い山崎さんですが、きわめて高い倫理観をお持ちの方だとお見受けしました。プロの売り手側から見れば、一種の「裏切り者」となるのかもしれませんが、一般投資家にすれば貴重な「味方」です。山崎元さんの『「投資バカ」につける薬』はとびきり有益な情報の宝庫だと私(喜八)は思います。
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「投資してみようかな?」って思ったら、最初にこの本を読みましょう!
既に投資しているけど「自分が騙されている事を知りたくない」って人は読んじゃダメです。
ちなみに、この本は僕の考え方に非常に近く、共感出来る部分が多いので、少し自分に自信を持てました。
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投資をしようと思った時に読むもよし。投資なんて簡単だと思った時に読むもよし。
甘いも辛いも知ったベテランが読むもよし
。投資に関わる(売る側・買う側)人と社会・世間の常識を埋める一冊になる・・・
といいです。
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色々判りやすく解説されててとっても参考になりました。一生手元においておきたいバイブルです。なので誰にも貸せません。
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金融商品を購入するときのポイントが目に鱗でした.
「素材の利益を売り手と買い手で取り合いしている」のが原則で.この原則がはっきり分からない限り,手を出したらいけない.
前から悩んでいた生命保険の解約も,この本読んで本格的に実施しようか考えてしまう一冊.
今後2〜3年は景気は悪くなるので,今の時点で手元に残すように考えてしまった.
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● 「だったら、なぜ自分で投資しないのですか?」確実に儲かると分かっていたら、人は普通、自分のお金を運用しようとする。
● 売り手の儲けは買い手の損になります。これはすべての金融商品に当てはまる法則であり、売り手と買い手の双方が儲かるようなケースはまずありません。
● お金を運用するニーズは一つしかありません。それは「儲けること」です。お金に色をつける必要はありません。学資保険で運用したお金でなければ大学の入学金を納められないわけではありませんし、同様に、確定拠出型年金で運用したお金でなければ老後に使えないということもないのです。
● 長期投資のメリットはただ一つ。コストの負担を軽減できること。
● なぜ「投資信託とつき合う必要がない」と断言するのかと言えば、それは手数料が高すぎるからに他なりません。
● まず消費者の恐怖心を煽り、「それは大変だ」と思わせたところで、危機への対応策として自分が売り込みたい金投資やプライベートバンクなどの運用商品に意識を向けさせる。それが金融業界におけるマーケティングの常套手段なのです。
● 「その生命保険の付加保険料を教えて下さい」あなたが支払った保険料の3〜4割を、生保は保障にも貯蓄にも使っていない。
● 若い独身者が保険に加入する必然性を私はまったく見出すことができません。
● 「集中投資をすれば、リスクも集中してしまうのではありませんか?」分散投資では、リターンを下げることなくリスクを低減させることができる。
● 山一證券のケースは極端な例かもしれませんが、それでも基本的には勤務先の株式を買うことはお勧めできません。だいたい、自分がつとめている会社のことは、よく知っているようでいて実はよく分かっていないケースが多いように思われます。
● いまの日本の個人投資家がとり得る無難な資産運用法は、預貯金に加えて、「個人向け国債+日本株への分散投資」の組み合わせだと思うのです。
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長期投資はリスクを低減させないとの事だが、幾つかのアメリカの教科書と異なる意見だ。反論するには弱く、データや数式を使った論理的な説明が必要だろう。
ドルコストがリターン期待値として有利でも不利でもないのは良く語られるが、投資は期待値とリスクのバランスである。ドルコストでもリスクは変わらず?
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投資バカにつける薬を読みました。
本当は3月ごろにアマゾン.comから取り寄せたのですが、まだまだ読めていませんでした。
目次だけでも、本当に社会に出たときに役立つエッセンスが多く含まれて居ます。
まずは目次メモ。
正しい問いかけ
1 「今投資すれば、確実に設けることができますといわれたら?」・・・
だったら何故自分で投資をしないのですか?
2.「長期投資をすればリスクを減らせるので、大きくリスクを取れます」といわれたら・・
リスクが減少する根拠を具体的に提示してください
3.「低金利の銀行預金で資産運用するのはばかばかしいと思いませんか?
投資信託なら高い利回りが期待できます」といわれたら・・・・
コストの高い投資信託が何故そんなにお勧めなのですか?
4.「チャート分析を勉強すれば、売買のタイミングがわかるようになります」といわれたら・・・
では、チャート分析法の有効性を示すデータを見せてください
5.「もうすぐ日本の財政は破綻し、資産課税の預金カットが行われます。今のうちに
外貨建て商品に資産を移しておきましょう」といわれたら・・・
国家財政が10年以内に破綻する確立はどのくらいですか?
6.「あなたが倒れたら、後に残されたご家族はどうなるのですか?生命保険への
加入は、家族に対する当然の責任です。」
→その生命保険の付加保険料を教えてください
7.「私の編み出した投資法は完璧です」といわれたら
→その投資法が正しいのならどうしてみんなが真似しないのですか?
8.「良いファンドを選べば、手数料を差し引いてもベンチマークより高い利回りが
期待できます」といわれたら?
→おいファンドを何故事前に見分けられるのか、その根拠を説明してください。
9.「効率の良い銘柄に集中するべきです。そのほうがガツンと儲けられますよ」と言われたら・・
→集中投資をすれば、リスクも集中してしまうのではありませんか?
10.「世の中に無難な運用商品などありません。ある程度のリスクをとってこの商品で高いリターンを期待しましょう」と言われたら・・・
→その商品は、個人向け国債+日本株の組み合わせより、どれだけ優利なのか、数字で教えてください
11.「賃貸マンションにいくら家賃を注ぎ込んでも、自分のものにはなりません。思い切って自分だけの白を手に入れませんか」と言われたら
→不動産で儲けられるのは不動産屋と銀行だけでは有りませんか?
12.「毎月分配型ファンドがこれだけ売れているのは、個人投資家のニーズにあった商品だからです。」
→「毎月分配型ファンドは、本当は損なのでは有りませんか?」
13.「ドルコスト平均法で投資すれば、リスクが減って購入単価が低下するので有利です」と言われたら・・・
→リスクが集中し、余計なコストがかかるドルコスト平均法のどこが有利なのですか?
14.「成功報酬型の手数料ならフェアですし、ファンドマネージャーも真剣に運用しますよ」と言われたら・・・
→成功報酬型とは、ただでオプションを渡しているようなものでは有りませんか?
15.「外貨預金なら、高金利で資産を運用できます」と言われたら
→どの通貨で預金しても、円で測った期待リターンは似たようなものではありませんか?
16.紙幣は紙くずになりえますが、金は価値を失うことがありません。
資産の一部を金塊で所有することをお勧めします。
→金利や配当が得られない金への投資が何故お勧めなのですか?
17.「この商品は、顧客のニーズ似合わせて、最新のデリバティブを使って運用されるものです」と言われたら・・・
→売り手が計算間違いをしない限り、デリバティブで買い手は儲からないのではありませんか?
18.「ペイオフ解禁で銀行預金にすらリスクが伴う時代になりました。早めに海外のプライベートバンクに資産を移しましょう」と言われたら・・・
→法律も制度も異なる国の異国のプライベートバンクを英語もろくに読めない私にどう信用しろと言うのですか?
~ここまで目次
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辛口の投資信託批評、不動産投資批評、生命保険批評。
どれも役に立つ切り口だと思う。
あまり何も考えずアクティブ型投資信託を購入している人、
不動産投資を検討している人、
生命保険に加入している人は、
本書を読むと、衝撃を受けるのではなかろうか。
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営業に騙されないようにする為の切り返しの言葉が、対話形式で掲載されている。
内容の信憑性は定かではないが、実際にお金を払う前に今1度戒めとして読んでおきたい。
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世にあふれる金融商品の不合理を具体的に指摘した本。
よくわからないものに手を出さないのが一番ということか。
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マーケットの世界では「他人から伝えられた情報は価値が低い」と考えるのが懸命です 「起こるか起こらないか」を考えるのではなく、「起こる確率」を冷静に分析してみよう 将来は単なる「過去の延長」ではない マイホームの購入も投資と考えるべき 「ファンド・オブ・ファンズ」を買うのは投信の二重購入、不合理極まりない「コストの塊」
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自社株を買うのは極めてセンスの悪い行動であり、ライバル企業への投資も同じ理由からセンスなし(P122)なるほどと直ぐに納得できる人は投資のセンスがある人かも(笑
「証券会社のセールスマンが客に集中投資を勧めたがる理由」とは、賢い人は分散投資をしてリスクを減らす。そうすることで確実に取引回数が減ることになる。当然、証券会社は手数料が稼げなくなり売り上げが立たない、顧客の利益は二の次なのである。
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書いてある事は概ね正しく、常識的な内容ではあるが、常識を知らずにに騙される人がいるから金融業界が儲かるという事象は永遠に変わらないのだろうな。