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独創する日本の起業頭脳 (集英社新書)
起業家を表す言葉として広まってきた言葉「アントレプレナー」には、本来、独創的、開拓者精神を強く意識した意味合いがある。目先の浮利を追わず独創にこだわり続ける志を持つ、8人...
独創する日本の起業頭脳 (集英社新書)
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商品説明
起業家を表す言葉として広まってきた言葉「アントレプレナー」には、本来、独創的、開拓者精神を強く意識した意味合いがある。目先の浮利を追わず独創にこだわり続ける志を持つ、8人の日本人起業家たちを取り上げる。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
青色発光ダイオードはこうして発明された | 中村修二 著 | 7-27 |
---|---|---|
日本半導体ベンチャー協会会長の決意 | 飯塚哲哉 著 | 29-48 |
三次元画像データ処理を進化させねばならない | 杉山尚志 著 | 49-68 |
著者紹介
垂井 康夫
- 略歴
- 〈垂井康夫〉1929年東京生まれ。早稲田大学理工学部卒業。武田計測先端知財団常任理事。
〈武田郁夫〉1923年愛知県生まれ。日本大学工学部卒業。タケダ理研工業設立。武田計測先端知財団理事長。
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日本でも起業家がのびのびと得意分野で腕を振るえるような手厚いサポート体制を!
2008/01/15 23:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
タケダ理研工業(現アドバンテスト)の創業者の武田氏と、彼が設立した武田計測先端知財団の理事の垂井氏が編集に当たった、彼らの観点で認めた日本の起業家8人を取り上げた本(中村氏はカリフォルニア大の教授へ、舛岡氏は東芝から東北大の教授へ、篠田氏は富士通から東大の客員教授へ転身したから起業家とは言えないと思うが・・)。8人の開拓者精神を支える人間的魅力に迫っている。そこでは独創性、開拓者精神を強く意識し、「実業」を重んじる。それは株式時価総額にこだわる虚栄の起業家たちへの批判も込められている。「まえがき」では8人に共通するのは「浮利を追わず、独創にこだわる志」だと垂井氏は言う。
後半の3人を除けば半導体関連のビジネスを立ち上げた人々なのはアドバンテスト関係者だから仕方がないだろう。最後の二人はソフトウエアビジネスだから、構成として余りバランスはよくないが、日本をリードする企業ということで興味深く読ませてもらった。「青色発光ダイオード」の中村氏はあまりにも有名だが、飯塚氏のザインエレクトロニクス、杉山氏のリアルビジョン、進藤氏のメガチップス、高須賀氏のサイボウズ、荒川氏のACCESS などは上場して人気銘柄となっていることからも名実共に日本をリードしている企業と言えよう。
本書の趣旨からは外れるが、日亜化学社員時代の特許権譲渡に対する対価を請求した裁判は注目を集めたが、中村氏は納得はしていないが、弁護士にやむを得ず従って和解に応じたと言う。日本の司法制度には根本的な問題がある、と苦言を呈している。裁判でも合理的な解決ができないことに、国際社会から取り残されるのではと心配もしている。
「あとがき」では、21世紀の市場は企業と生活者の共創によって作られると武田氏は書いている。元ソニーの井出氏も「競争から共創へ」と言っていたが「共創」という言葉が流行るかも知れない。
新書という形態で多くの人を取り上げたためか、やや中身が薄い印象。登場するそれぞれの方々は素晴らしい人に違いないのだが、ちっとも感動が伝わってこないのが残念。アイデアがあって起業を目指す人たちには良い刺激になるには違いないが・・。